ラグビーW杯の「テレビ中継」は盛り上がるのか 視聴率王者・日テレが抱く期待と不安

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また、前述した民放他局のテレビマンは、「日本人はサッカー以外、他国同士の試合を見ることはほとんどない。ゴールデンタイムで多くの人々に見てもらえるのは、日本人選手が活躍する競技だけ」と言い切っていました。

事実、現在フジテレビが連夜生中継している「ワールドカップバレーボール2019」では、他国同士の試合は放送されませんし、強国による優勝争いは完全にスルー。15日まで行われた「バスケットボールワールドカップ2019」も同様の放送内容でした。

さらに言えば、世界最高峰の祭典である夏季オリンピックですら、他国同士の試合中継は極めて少なく、その理由は「単に視聴者が見ないから」であり、最高峰の戦いを好んで見る人は少数派。日本代表の試合は準々決勝に勝ち上がらなければ4試合で終わってしまうだけに、日本テレビとしては不安を拭い去れないのです。

1カ月半の長丁場でテンションを保てるか

もちろん日本テレビは開幕前と同じように、朝から夜まで情報番組で「ラグビーワールドカップ」の特集を組むでしょう。しかし、他局もそうかと言えば、「日本代表の勝ち上がりや大会全体の盛り上がり次第で、扱いの大きさを変える」のが既定路線。

例えば情報番組のスポーツコーナーでは、優勝争いの佳境であるプロ野球の速報に加えて、フジテレビは「ワールドカップバレーボール2019」(開催中)、TBSは「世界陸上ドーハ」(27日開幕)、テレビ朝日は「世界新体操」(開催中)や「世界体操2019」(10月4日開幕)と、放映権を持つ競技を優先的に放送するでしょう。

また、ラグビーは体力の消耗が激しい競技だけに試合間隔が長く、9月20日の開幕戦から11月2日の決勝戦まで、約1カ月半にわたる長丁場。200超の国や地域が参加する来年の「東京オリンピック」が2週間あまり、32の地域が参加した昨年の「サッカーワールドカップ」が1カ月間であることを踏まえても、20の地域が参加する「ラグビーワールドカップ」がいかに長いかがわかるのではないでしょうか。

「日本でやっているからと言っても、実際にスタジアムで見られる人は少ない。開幕当初は盛り上がるかもしれないが、開催期間が長い分、尻すぼみになるだろう」とみる他局のテレビマンは少なくないのです。

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