ラグビーW杯の「テレビ中継」は盛り上がるのか 視聴率王者・日テレが抱く期待と不安
ある情報番組のディレクターが挙げていた不安は、「ラグビーファン以外の人が知っているスター選手がいない」こと。例えば、サッカーの本田圭佑選手や香川真司選手、あるいは若手の久保建英選手のような広く知れ渡っている選手はなく、前回大会で一躍人気者になった五郎丸歩選手は今回、日本代表に選ばれていません。
日本テレビとしても、数年前から日本代表選手を情報番組で紹介するほか、バラエティーにも出演させて認知度アップを図ったものの、ラグビーファン向けのものにとどまっていました。国民全体で大きく盛り上がるためには、ただ勝つだけでなく、「地元開催で現れた新たなスター」の誕生が待望されているのです。
さらに気になるのは、「日本代表のメンバーに外国出身者が多すぎる」「これが本当に日本代表と言えるのか?」という声。もともとラグビーは、「国籍が異なっても36カ月間継続して居住する」などの要件を満たせば代表資格が得られるうえに、他国も似たような状況のチームも少なくありません。ゆえに、今さら物言いをするのはナンセンスでグローバルな視点に欠けるきらいがありますが、うがった見方をする人も多いのです。
8月29日に発表された登録メンバー31人中、外国出身者は過去最多の6カ国15人。前々回、前回が3カ国10人だったことを踏まえると、大幅に増えていることがわかります。以下、18日に発表されたロシア戦の先発メンバーを挙げてみましょう。
ルールの中で勝てるメンバーを選んだ
【BK】流大、田村優、レメキ・ロマノラヴァ、中村亮土、ラファエレ・ティモシー、松島幸太朗、ウィリアム・トゥポウ
【リザーブ】坂手淳史、中島イシレリ、具智元、トンプソン・ルーク、ツイ・ヘンドリック、田中史朗、松田力也、山中亮平
ラグビーファン以外の人にとっては、「カタカナの名前が多い」「やはり外国出身者ばかり」と感じるかもしれませんが、これは「ルールの中で、実力と実績重視で勝てるメンバーを選んだ」ことの表れ。そして、声を張り上げて君が代を歌い、日本代表のユニフォームを着て強国の大男たちに立ち向かう姿を見れば、「これが本当に日本代表と言えるのか?」という声は、それなりに薄れるのではないでしょうか。
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