現役車両も登場…京都鉄博「攻める展示」の裏側

引き込み線を活用した企画や「車体色変更」も

最近は自社車両のみならず、JR貨物やJR四国の車両も“入館”しており、毎回好評を博している。「JR貨物さんとは、当館の開設にあたってもいろいろと協力してもらっています。2017年8月には、初めて当社以外の車両としてEF210形直流電気機関車を展示しましたが、これもJR貨物さんからの提案で実現しました」(主原さん)。

このとき展示されたのは直前に竣工した新車で、本来ならすぐに営業運転につくところ、JR貨物の粋な計らいで展示車両として貸し出されたのだという。主原さんは「万が一にも傷をつけてはいけないと、いつも以上に気を使いました」と笑って振り返る。

北海道のEH800形を京都で展示。関係者の努力のたまものだ(筆者撮影)

この成功を受け、後にJR貨物のEH800形とEF64形、さらにJR四国の「アンパンマントロッコ」も展示されることになった。

「EH800形は遠く離れた北海道の所属であり、真冬の展示ということもあって、無事に到着するか気が気ではありませんでした」(主原さん)。回送当日は、ツイッターなどで鉄道ファンが投稿した回送列車の“実況中継”を見ながら、祈るような気持ちで待っていたという。

アイデアでわかりやすく伝える

「車両工場エリア」で行われているのは、特別展示だけではない。例えば、バラスト(砕石)を運搬するホキ800形貨車を展示した際には、バラストの代わりにボールを積み込み、散布する様子を再現。実はこれも、主原さんの提案だという。

JR四国の「アンパンマントロッコ」も展示。四国のPRにも寄与した(筆者撮影)

車両を見せるだけでなく、この車両がどんな役割を果たしているかを伝えることも、博物館の重要な使命だ。子供たちにも大好評で、わかりやすく伝わったに違いない。

「これからも、いろいろな車両の展示をしていきたいと思っています。個人的には、いつかここで私鉄の車両も展示してみたいですね」(主原さん)

そのほかにも、このスペースを生かした企画を検討中だという。これからも、京都鉄道博物館の“新たな挑戦”が続きそうだ。

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