香港デモ、地下鉄「乗客攻撃」と駅破壊で大混乱

抗議活動エスカレート、警察の暴力にも非難

この日は早朝から、デモ隊の抗議活動を気にかける出発客が建物外のパスポートチェックに長蛇の列を作った。

8月31日に起きた地下鉄駅での警察による活動家排除の様子を伝える香港の新聞(筆者撮影)

だが、時間が経つにつれてデモ参加者が次々と空港へ集結。やがて、空港と市内を結ぶバスターミナルと高速道路をつなぐ部分にバリケードを築き、さらには到着ロビーからバスターミナルに通じる歩道に荷物カートを積み上げるなどして人の出入りを遮断した。

また、空港特急(エアポートエクスプレス)の線路に向かって活動家が物を投げ入れて運行を妨害し、列車もストップした。ただ、8月のデモ隊占拠時とは異なり、今回は空港外での妨害にとどまったため、多くの発着便は予定通り運航された。

デモ参加者の間ではオクトパスカード(地下鉄など香港の交通機関で使えるICカード)を使ってデモに参加すると身元が割れるとの懸念から、タクシーに同乗して現場に集合するケースも見られるという。

市民に「厭戦ムード」も

金融、小売り、観光といった非製造業で街の経済が支えられている香港では、抗議活動の激化はイコール街の衰退につながるといっても過言ではない。

観光客の足は遠のいている。統計によると、8月16~20日の5日間の外国人訪問客は前年の同じ時期と比べて半分に減った。香港の観光産業の主要顧客である中国大陸からの観光客が前年の2割ほどにとどまっているとの数字もあり、経済への影響が広がりつつある。

香港政府は経済刺激策として190億香港ドル(約2573億円)の支援パッケージを打ち出し、失業の防止をはじめとする対応に乗り出しているが、事態の終結に向けての道のりは遠く、さらなる経済の悪化は避けられない状況だ。

域内GDP成長率は、今年第2四半期(4~6月)に0.4%のマイナスだったと報じられた。7~9月の第3四半期に持ち直す要素が少ないことから、「10年ぶりのリセッション(景気後退)に転落」という声も聞こえてくる。

当初、今回のデモ活動は一般市民の間でも支持を受けていたが、先鋭化したデモ参加者による交通機関や街のインフラ破壊、道路などへの落書きといった行為がエスカレートするにつれ、通常の社会活動をしたいと考える市民らの間には「厭戦ムード」も広がりつつある。

収まらない香港の若者たちの怒りと、改正案の撤回以上は譲れないとの姿勢を示す香港政府、そして中国。この先の展開は見通せない。

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