40歳女性が「6年間の不倫」を断ち切れたワケ 友達との集まりには絶対来ようとしなかった

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だんだんと、“このまま付き合いを続けていていいのか”と、日々考えるようになった。

「でも、会っていると楽しいし、ここで別れて1人になるのは、登ってきたハシゴを急に外されるようで、とても不安でした。あと、ストーカー女の話を聞いていたので、結婚を迫って追いかけ回すようなことはしたくなかったし、奥さんがヒステリックな人だと聞いていたから、私はそうなりたくないと思っていた。

彼のことが好きで、彼に好かれたかったから、以前の女性たちとは違うところを見せたかった。でも、ものわかりのいい女性を演じていくことが、私の中でストレスになっていきました」

別れを決意した父の死

そして、付き合って5年が経った冬のある日、父親が風呂場で足を滑らせて転び、右足の付け根を骨折した。

「すぐに救急車で運ばれました。骨折ですから命に別状はなかったのです。でもその後、病院で検査をしてくうちに、すい臓がんが見つかったんです」

がんは思いのほか進行していて、治療の施しようがない状態だった。

「最初は通院していたのですが、だんだんと動けなくなり、病院に入院したら、3週間で亡くなってしまいました。あっけない最期でした」

父が入院してからというもの、家族は交代で病院へ見舞った。余命宣告もされていたので、家族の誰もが1分、1秒でも父と一緒に過ごしたいという気持ちだった。

「私には4つ下の妹がいて、すでに結婚をして幼稚園の年少と小1の2人の子どもがいるんです。妹も時間があると子どもを連れて、病院に行っていました。土日の休みは、旦那さんも一緒に家族で父を見舞う。そういう姿を見ていたら、私はなんて親不孝をしているんだろうと思いました」

既婚者である奏太は、万里子の両親の前に出てこられるはずもなく、一度も見舞いに来ることはなかった。

「私の友達の集まりにも参加しない。両親の前にも姿を現さない。それは、彼が結婚しているという後ろめたさがあるから。何年別居していても、都内で独身のような生活をしていても、戸籍がつながっていたら、夫婦なんですよね」

父が亡くなり、葬儀のときに祭壇に献花が飾られた。献花は故人と縁の深い順番に並べられていく。

「妹の旦那さんの名前の献花は、父の遺影のすぐ近くにありました」

子ども一同で万里子も花を出したが、奏太の献花はなかったし、もちろん葬儀に姿を見せることもなかった。

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