「ライフ・シフト」に学ぶ人生100年時代の心得 社会の分断をどう防ぐかが世界共通の課題に

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これからの100年時代にあたって、日本政府と企業はどのような対策をすべきなのだろうか(撮影:今井康一)
人生100年時代の到来は、産業革命に匹敵する大変化だ。そう訴えるのが、ロンドン・ビジネススクールのリンダ・グラットン教授と共に『ライフ・シフト』(邦訳小社刊)を著した同大教授のアンドリュー・スコット氏だ。来日したアンドリュー氏に、『ライフ・シフト』発刊に込めた思いと、日本社会の変化への考え方を聞いた。

20世紀と21世紀の大きな違い

――人生100年時代の変化について、産業革命と匹敵する変化だと指摘しています。

20世紀には2つの重要なことが起こった。1つは20世紀初頭から起こった第2次産業革命(軽工業から重工業への転換)を契機に大企業が発展し、中でも製造業が繁栄したこと。もう1つは、その大企業の発展によって会社員が増加し、個人のキャリアに対する意識が高まったことだ。

そこでは多くの人が70歳あたりを寿命と考え、それまでの期間を、学校で学ぶ「教育」、企業で働く「仕事」、働くのを辞める「引退」という3ステージに分け、キャリアを設計してきた。

しかし21世紀に入り、そうしたキャリア設計の前提が崩れ始めている。長寿化が進み、人生100年時代が到来しようとしている。またIT、人工知能、ロボティクスなどの技術進化もめざましい。この時代には、今まで人間が担っていた仕事をロボットが代替するようにもなり、人間に余剰時間が発生していくだろう。

「ロボット」とはもともと、チェコ語で「退屈な仕事」という意味だ。そうした退屈な仕事をロボットに託すことで、多くの人がよりクリエイティブなことに時間を使えるようになるのだ。

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