「何者でもなかった大学生」が夢をつかめた理由 「可能性を信じることで可能性は広がった」

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バナヤンが重視している「サードドア」とは何なのだろう? 人生もビジネスも成功もナイトクラブのようなものであり、つねに3つの入り口が用意されていると彼は言うのだ、

まずファーストドアは、長い行列ができる正面入り口。入れるかどうかと気をもみながら、99%の人がそこに並ぶわけである。セカンドドアは、億万長者やセレブ、名家に生まれた人たちだけが利用できるVIP専用入り口。

それから、いつだってそこにあるのに、
誰も教えてくれないドアがある。
サードドアだ。
行列から飛び出し、裏道を駆け抜け、
何百回もノックして窓を乗り越え、
キッチンをこっそり通り抜けたその先に―――必ずある。

ビル・ゲイツが初めてソフトウェアを販売できたのも、スティーヴン・スピルバーグがハリウッドで史上最年少の監督になれたのも、彼らがサードドアをこじ開けられたからだということ。

目的は「自分らしい人生のはじめ方」を学ぶこと

だとすれば、そうした疑問に答えてくれるような、人生の始まりに的を絞った本が必要になるかもしれない。しかしバナヤンには、それが見つけられなかった。では、どうしたか? “誰も書いていないなら、いっそ自分で書くのはどうだ?”と思いついたのである。

あまり現実的ではない話である。しかも、それを実現するためには莫大な取材費が必要になるだろう。

そこで思いついたのが、アメリカの著名テレビ番組『プライス・イズ・ライト』に出場し、賞金を獲得しようというアイデアだった。どう考えても無謀なチャレンジだが、驚くべきことに優勝して商品の豪華ヨットを獲得。それを売って得た1万6000ドルを元手に、世界の成功者たちにインタビューするための旅を始める。

目的はもちろん、「自分らしい人生のはじめ方」を学ぶことだ。

しかし当然のことながら、その壮大なミッションを実現することは容易ではなかった。

さまざまなコネクションやチャンスを活用しながらスティーヴン・スピルバーグ、起業家兼作家のティム・フェリス、スターシェフのウルフギャング・パックなどにアプローチするが、なかなかうまくいかなかったのである。

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