「うんこミュージアム」作った45歳男の面白人生

阿部晶人「キーワードはMAXうんこカワイイ」

2006年、31歳で電通を退社。定年まで電通に居続ける人も多いなか、働き盛りの30代で辞めることに周囲は驚いていたという。

「なかでもいちばんびっくりしていたのは妻ですね(笑)。子どもが産まれたばっかりだったので、不安ではあったと思います」

転職したのは外資系代理店オグルヴィ・ワン。最年少クリエーティブディレクターとしての入社だった。

「世界中のクリエーターが集まって会議する際、こんなクソみたいな企画作ったの誰や!って吊るし上げられるときもありました(笑)。でも、海外の作品やクリエーターに出会えるのは刺激的な時間でしたね。ある程度の裁量が与えられていたのも楽しかった」

新天地で40歳を迎え…

31歳から9年間、オグルヴィでクリエーターとしての知見を広めた。しかし40歳にして、またしても退社。

まさかのアルバイト生活を始めることを決める。キッカケは1970年から3年に1度開催されている世界剣道選手権だった。

「うんこミュージアム TOKYO」の会場を彩る、極彩色の電飾(写真:OCEANS)

「大学時代に剣道のホームページを作った縁で全日本剣道連盟の委員をしていたんですが、次の世界大会こそ日本で!と招致や企画のお手伝いをしていたんです」

決まれば日本での開催は第1回大会以来、45年ぶりの快挙。阿部さんは仕事の合間に、招致のためのボランティア活動に精を出した。

「イタリアに行ってプレゼンをしたり、夜な夜な資料を作成したり。忙しかったけど充実感がありました」

そして阿部さんの努力が見事に身を結び、開催地は東京に決定した。しかし招致に貢献したからこそ、ここで終わりにしたくないという想いが芽生えたという。

「次はいつ日本で開催されるかもわからないし、肝心の大会本番に関われなかったら、絶対後悔する。でもこれ以上、仕事と並行して活動するのは限界を感じたのでスパッと仕事を辞めました」

長年務めた外資系代理店を退職。全日本剣道連盟でのアルバイト生活をスタートしたのだ。そこに迷いはなかったのだろうか。

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