こうした略語ができた背景の1つとして、当然リアルタイムにやり取りするうえで省略したほうが早く文が打てるということがあります。また別な理由として、文字数に上限のあるシステムの中で上手く文字数を少なくする工夫として始まったようです。例えばTwitterは280文字(スタート時は140文字)という上限がありますので、cu tmrwの6文字なら8文字節約になるというわけです。
Twitter全体の中に占める日本語の比率はとても高く、日本人は誰よりもTwitterが大好きです。これは日本語では少ない文字数で多くの意味を持たせることができるからといわれています。
「焼肉定食」という4文字で肉を焼いたセットメニューの料理であることがわかりますが、これが英語だと4文字ではMeatしか伝えられず、まだ肉を焼いてすらいない、というジョークがあります。日本語は、英語(アルファベット表記)圏よりもTwitterには相性のよい言語なのです。
絵文字は日本が生んだ「世界言語」
日本ではSNSの略語は若者の文化から発生しているようですが、英語については必ずしもそうではなく、意外に年齢の高いビジネスマンでも平気で略語を使います。実は英語圏ではスマートフォン以前の時代から文字数に制限のあるテキストメッセージ(日本ではショートメールなどと呼ばれていたSMSのこと)が多用されていたので、略語カルチャーはその時代から存在していたのです。
欧米がテキストメッセージを使っていた頃、日本はいわゆるガラケーという独自の技術進化を謳歌していた時代でした。テキスト数にほぼ上限はなく、写メールなどのリッチなコンテンツを誰もが共有する体験を世界のどこよりも早く経験していました。その中で誕生したのが絵文字ですね。
英語圏にもEmoticon(Emotionとiconを合わせた造語)というものがありましたが、例えば笑顔は「:)」だったりと、日本の絵文字に比べると「もうすこしがんばりましょう」のスタンプを押してあげたくなるような完成度でした。
その後スマートフォン時代になると絵文字はunicodeというコンピュータで用いる文字コードの世界標準に採用され、日本の絵文字は世界のemojiへと発展してゆくことになります。ガラケーといいますと日本のテクノロジーの悪しきものの代表のようにいわれますが、絵文字は数少ない日本発の世界標準で、SNS時代の重要な表現手段として世界中で使われています。
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