悪ふざけで「花火を人に向ける」不届き者の代償

建造物放火罪になると最悪「死刑」の場合も

――とくに警察に向けて発射する事例が多くあるようです。

警察官に対して発射した場合、刑法95条1項の公務執行妨害罪にあたります。また、同時にケガをさせたような場合、別途傷害罪等も成立します。

少し法律的な話をしておきますと、威力業務妨害罪が成立しないのかという疑問がありますが、警察官は自力で妨害を排除する能力を持っていますから、この犯罪は成立しないと考えるのが通常です。

――冒頭のケースで「威力業務妨害」に問われているのは、「警察官」ではなく「警察署」が狙われているところが大きいのですね。

民事上の責任もありうる

――もしも花火で人や建物を狙った結果、火災が起きた場合はどうなりますか?

なかなかないとは思いますが、刑法108条の現住建造物等放火罪が成立する可能性があります。万一、現住建造物等放火罪になると、何と死刑、無期または5年以上の懲役が科せられることになります。

そうでなくても、民事上も不法行為に基づく損害賠償請求の可能性があります。当然責任は問われるのです。

いずれにしてもこのような行為は危険です。遊び半分でやった代償は極めて大きいものになるといわざるをえません。花火は常識の範囲内で楽しむものですよ。

今年も花火大会の時期が来ましたね。私は人混みが嫌いなんで行きませんが、皆さん楽しんできてください。人に向けてではなく、天空高く上がった花火はきれいですね。

西口 竜司(にしぐち・りゅうじ)弁護士
法科大学院1期生。「こんな弁護士がいてもいい」というスローガンのもと、気さくで身近な弁護士をめざし多方面で活躍中。予備校での講師活動や執筆を通じての未来の法律家の育成や一般の方にわかりやすい法律セミナー等を行っている。SASUKE2015本戦にも参戦した。弁護士YouTuberとしても活動を開始している。
事務所名:神戸マリン綜合法律事務所
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