しゃけ弁当はニジマス弁当になるのか?

メニュー表示のガイドラインで業界に波紋

JAS法に準拠した見解

消費者庁が公示したガイドライン。「サーモントラウト」を「サーモン」と表示するのは問題だとしている

サーモンの例が典型だが、消費者庁からお咎めのなかった表示方法が、なぜ問題視されることになったのか。これまで消費者庁は、メニュー表示で実際のものより著しく優良だと示しているかどうかという景表法の「優良誤認」の観点で、その是非を判断してきた。

ところが、今回のガイドラインでは「JAS法では(中略)義務づけられています」という文言が度々見受けられる。この法律では品質表示制度が定められており、一般消費者の商品選択に役立てるため、すべての飲食料品を対象に品質に関する表示を製造業者に義務づけている。

冒頭でも述べたように、サーモントラウトの場合も、JAS法の具体的な考え方や事例を示した「魚介類の名称のガイドライン」に準拠し、標準和名「ニジマス」を「サーモン」と表示するのは適当でないとしたわけだ。

一方、水産庁の漁政部加工流通課は、「魚介類のガイドラインは、あくまでスーパーや鮮魚店などでの表示を意識したもの」という。つまり、消費者庁が優良誤認を判断するうえで、外食業者が対象に含まれていなかった「魚介類の名称のガイドライン」を引き合いに出したことから、話がより複雑になったといえる。

結局はケースバイケース

今回、消費者庁が例示した35項目には含まれていないが、水産庁の「魚介類の名称のガイドライン」をモノサシにすると、サーモン以外にも問題含みの表示が見受けられる。

ある海鮮居酒屋では、ホンビノス貝を「白蛤(はまぐり)」と称して提供している。しかし、水産庁のガイドラインでは、ホンビノス貝で使用しないこととする名称を「ハマグリ」としている。スーパーや鮮魚店で「ハマグリ」としてはいけないものが、飲食店であれば認められるのだろうか。

消費者庁に見解を聞くと、「ケースバイケース」(表示対策課)だという。これでは、どこからどこまでが「問題あり」なのかが分からないが、明確な線引きをすること自体が困難ともいえる。結局、消費者庁のさじ加減一つだ。

さらに、こうも言う。「メニュー表示に関するガイドラインは、白黒つけるためのものではなく、あくまでこれを守ってほしいという提案。ハマグリの例についても、著しい優良誤認かどうかは個別に判断していく。JAS法は景品表示法とは直接関係ないが、事業者がメニュー表示をする際の判断材料として活用してほしい」(表示対策課)

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