家を買わない「賃貸生活」向く人向かない人の差 賃貸のメリット・デメリットをいま一度整理

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その理由は、高齢者に貸す際に抱える貸し主側の心配が、家賃の滞納への心配だけではないからです。高齢者は、長期間入院しがちなため家賃の滞納リスクも高まる印象があります。

加えて、心配されているのは「孤独死」です。遺体の埋葬、荷物の処分、部屋のクリーニングなどをしないと次の借り手を見つけられず、かつ、以後の借り手の家賃を引き下げざるをえなかったり、借り手が見つからず無収入になったりするリスクもあるのです。

そのため、ずっと賃貸でいく場合は物件を根気よく探す努力が必要です。

「退職後の暮らし」から決めるのが正解

「借りる」ことは一生涯を通し可能な選択肢ですが、もう一方の「買う」という選択肢にはタイムリミットがあります。買うとなると、現金で全額支払えない場合は、住宅ローンを借りて銀行などに売買代金を立て替えてもらって、数十年間にわたり分割払いしていくことになります。

このとき、銀行が数千万円もの大金を貸してくれるチャンスは、基本的に、安定した就労収入がある現役時代に限られています。言い換えれば、住宅ローンを組むほどの高額な物件を買うか買わないかで悩むことができるのは、就労収入がある間だけ。そして、買うことができるタイミングは、現役時代か退職金をもらったときの二択ということに。

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あとで後悔しないためにも、「退職後の暮らし」のイメージを早めに家族で共有しておくとムダがありません。例えば、「退職後は家族と海外や田舎で暮らしたい」という希望があるなら、自分以外の家族も移住がOKなのかどうか、早めに把握しておくという割と簡単な話です。

幸運にも、家族の意見が同じ方向性であったなら、退職するまでは賃貸暮らしを続けて住居費をうまく抑え、貯蓄に励み、将来の移住資金や長期滞在資金に備えるといいでしょう。

人生100年時代。豊かな老後を送るためにも、人生の終わりを今からイメージして自分にピッタリな住まいを見つけましょう。

竹下 さくら ファイナンシャルプランナー/宅地建物取引士

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たけした さくら / Sakura Takeshita

兵庫県神戸市生まれ。慶應義塾大学商学部にて保険学を専攻。損害保険会社の営業推進部および火災新種業務部、生命保険会社の引受診査部門の勤務を経てファイナンシャルプランナーとして独立。個人向けコンサルティングを主軸に講演・執筆を行う。『「奨学金」を借りる前にゼッタイ読んでおく本』(青春出版社)、『「家を買おうかな」と思ったときにまず読む本』(日本経済新聞出版社)など著書も多数。

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