任命される3つのルート
担当課長になるのには主に3つのルートがある。
ひとつめのルートは、課長から担当課長への横異動である。「組織の統廃合」、「出向から出戻り」、「成績不良」、「部下がついてこない」、「マネジメントが稚拙」など事情は様々だが、以前は組織の責任者だったが、そのポストを追われた人。形式的には横異動だが実質的には降格といえる。
二つ目は、係長から担当課長への昇格である。一般社員として、会社に貢献し、十分な実務経験を積んで、次のポジションは「管理職」と本人は感じている。周囲からも「●●さんそろそろ課長になっていい年だよね」と思われている。
ところが、管理職ポストは会社の組織戦略で作られるものである。管理職登用の実力・経験がついたからといって、事業拡大でもしない限り責任者ポストは与えられない。本人のプライドやモチベーション、これまでの貢献度などを総合的に勘案して、管理職扱い(非組合員)になった人である。ただし、同期の出世レース上では、周回遅れ昇格といえるので、誰よりも早く担当課長になることはない。
三つ目は、一定の年齢(53歳など)に達した際に、自動的に責任者ポストを後進に譲る制度である「役職定年制」で担当課長となるパターンである。特に失敗したわけではない標準的な管理職にポストを外れていただくには絶好の機会となる。いわゆる若返りである。大企業であれば、新たな課長候補者や交代要員は沢山いるので経営的には都合のいい制度といえる。
ただ慢性的な人材難の中小企業は少し勝手が違う。課長が50歳を超えて、年齢的にとうが立ってきても、後に続く人材が育っていない。というより育てていない場合が多く、定年まで管理職を続ける、あるいは定年を超えても課の責任者のまま再雇用されるケースもままある。
いずれのパターンにしても課長と同世代か年長である可能性が高い。新任課長の悩みの相談として最も多いのが「年上の部下にどう接すればいいか」というものだが、年上の部下のほとんどが担当課長である。
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