知らないと危ない!「雷」をめぐる2つの事実 長靴やレインコートでは身を守れない

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さて、雷はさまざまな被害をもたらします。人に落ちれば、心臓や呼吸が止まって死亡するか、死に至らなくても意識を失ったりやけどを負ったりします。ですから、雷が発生したら、すぐに身を守る行動をとらなければいけません。

昔から、雷にはさまざまな言い伝えがありました。例えば「雷が鳴っているときは、金属を身に着けないようにすれば大丈夫」「ビニールのレインコートを身に着けていたり、ゴムの長靴を履いたりすれば、雷の電気を絶縁するので大丈夫」という言い伝えを聞いたことはありませんか?

レインコートや長靴で絶縁するのは不可能

実はこれらの言い伝えは、さまざまな実験の結果、まったくの迷信であることがわかっています。そもそも、雷雲と地面の間にある空気だって絶縁体なのです。そこにも電流が流れてしまうほど強い電圧なのですから、雷の電気をレインコートや長靴で絶縁することは難しいのです。雷が落ちやすいのはとにかく周囲よりも高い場所であり、金属を身に着けているかどうか、絶縁体を身に着けているかどうかは関係ないのです。

それよりも危険なのは、雷が発生しているときに公園やゴルフ場、野球場、海の上や河川敷などの広くて平らなところに立つことです。また、傘や釣り竿、ゴルフクラブ、野球のバットなどの長いものを持っているのも危険です。

もし、雷の音が聞こえたら、すぐに建物や車の中などの安全な場所に避難するようにしてください。なお、雷が落ちるときは建物や車の表面を伝って地面に到達します。車や建物の中は安全とはいえ、窓ガラスや壁には触らないようにしましょう。

雷が鳴っているときはたいてい雨も降っています。高い木の下で雨宿りしたくなるものですが、これも非常に危険です。というのも、雷はまず高い木に落ちるのですが、木よりも人体のほうが電気を通しやすいので、木に落ちた雷は木の下にいる人体を経由して地面に到達することがあるのです。これを「側撃雷」といいます。ちなみに、家などの軒先での雨宿りでも側撃雷を受ける可能性があるので、必ず建物の中に入るようにしましょう。

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