吉本興業の超ゴタゴタ、「株主」テレビ局の責任 テレビ関係者が接した岡本社長の強い意向

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吉本興業と折衝に当たっている人に「A子って誰ですか? 女性の若手芸人ならともかく、どこからこの子の名前が出てくるんですか?」と聞くと「岡本氏からの強い意向だ」という。

テレビ局と芸能界には〝バーター出演〟という、いわば抱き合わせ商法がある。テレビ局からしてみるとメインの出演者に出てもらう際に、同じ事務所が推すタレントも出演させるというもので、長年の慣習でもある。

テレビ局からしてみるとバーター出演は比較的安い出演料で〝タレントのお試し〟ができるのと、芸能事務所への〝貸し〟にもなるのだ。またバーター出演でチャンスをつかんで人気者になるタレントもいるので、バーター出演は一概にネガティブなものだ、とは言えない。

ただしそれは、バーターで出るタレントに番組サイドから見ても「何らかの魅力」があることが前提である。「バーターだけど、別のコーナーで身体張ってもらうと面白いかも」「スタイル良いからグッズ紹介時に全身映すと良いかも」など、番組もせっかくの若いタレントを活かすように考えるのだ。

ところがそのA子さんには、「何も、なかった」のだ。

「いやー、さすがにこんなタレントを、しかもレギュラーでなんか、無理です」

私は当然断った。バーターならほかにもいるはずだ。大人数を抱える吉本興業である。

バーターなしなら芸人の出演も流れそうな雰囲気に

いったん断ったあとの吉本興業からの返答は「いや、どうしてもA子を起用してほしい」だった。

「それは無理です」

「岡本氏の意向です」

「別なタレントならいいですけど」

「それでは駄目だと」

そして、A子をレギュラー起用しなければ、最初に希望した芸人の出演も流れそうな雰囲気になってきたのだ。

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