吉本興業の超ゴタゴタ、「株主」テレビ局の責任

テレビ関係者が接した岡本社長の強い意向

押し問答が何度かあったが、結局、A子さんはレギュラーとなった。

岡本氏が〝強引さ〟によって日テレの番組キャスティングを突破したのだった。

このような出来事が、おそらくさまざまな番組、テレビ局であったのだろう。

そして「テレビ局は株主だから大丈夫」という意識につながっていったのではないだろうか。

現場のスタッフも起用に困惑

しかしこのA子さん、実際に番組が始まっても、彼女はスタッフの期待に添うことはできなかった。視聴者からの反応もほとんどなかったのだ。現場のスタッフにも「なぜこのタレントが?」という疑問符が常について回った。

売れているタレントさんは「街ロケ」のような一見簡単に見える仕事でも、触れあう店の人、一般のお客さんにキチンと気配りができて、撮影ではスタッフの意向を汲みつつさらに〝面白く〟していくものだ。しかしA子さんにはその才能はなかった。

いったいなぜ岡本氏がこのようなタレントを〝ねじ込んで〟きたのか?

彼とて現場を見てきた人間なので、タレントの才能はある程度見極められるはずである。

やがて私はA子さんの「背景」を聞くに及んだ。

彼女は「吉本興業と取引のある某企業関係者の血縁者」だというのだ。

結局A子さんは、番組に爪あとを残すこともなく、ほどなくして番組から〝卒業〟した。いや〝降板させた〟のだ。

彼女の番組での様子を見ていたのだろう、岡本氏もさすがに降板にクレームをつけることはなかった。

次ページ株主として配当を得てきたテレビ局はどう向き合うか
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
  • 最新の週刊東洋経済
  • 自衛隊員も学ぶ!メンタルチューニング
  • 賃金・生涯給料ランキング
  • 赤木智弘のゲーム一刀両断
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
-

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

ログインしてコメントを書く(400文字以内)
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
子どもの命を守る<br>続発する虐待死、その真因を探る

子どもをめぐる悲惨な事件が後を絶たない。親からの虐待、保育園事故、不慮の事故……。子どもの命の危険とその解消策を検証した。長時間労働が深刻な児童相談所の実態、低賃金・高賃金の保育園など保育士の処遇に関する独自調査も。