吉本興業の超ゴタゴタ、「株主」テレビ局の責任 テレビ関係者が接した岡本社長の強い意向
押し問答が何度かあったが、結局、A子さんはレギュラーとなった。
岡本氏が〝強引さ〟によって日テレの番組キャスティングを突破したのだった。
このような出来事が、おそらくさまざまな番組、テレビ局であったのだろう。
そして「テレビ局は株主だから大丈夫」という意識につながっていったのではないだろうか。
現場のスタッフも起用に困惑
しかしこのA子さん、実際に番組が始まっても、彼女はスタッフの期待に添うことはできなかった。視聴者からの反応もほとんどなかったのだ。現場のスタッフにも「なぜこのタレントが?」という疑問符が常について回った。
売れているタレントさんは「街ロケ」のような一見簡単に見える仕事でも、触れあう店の人、一般のお客さんにキチンと気配りができて、撮影ではスタッフの意向を汲みつつさらに〝面白く〟していくものだ。しかしA子さんにはその才能はなかった。
いったいなぜ岡本氏がこのようなタレントを〝ねじ込んで〟きたのか?
彼とて現場を見てきた人間なので、タレントの才能はある程度見極められるはずである。
やがて私はA子さんの「背景」を聞くに及んだ。
彼女は「吉本興業と取引のある某企業関係者の血縁者」だというのだ。
結局A子さんは、番組に爪あとを残すこともなく、ほどなくして番組から〝卒業〟した。いや〝降板させた〟のだ。
彼女の番組での様子を見ていたのだろう、岡本氏もさすがに降板にクレームをつけることはなかった。
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