大混雑の「鎌倉駅東口」、広場改修で増す不安 バス待機所は減少、信号なし横断歩道は残存
地元の通勤・通学客に加え、多くの観光客であふれかえる鎌倉駅東口ロータリーの改修工事が今年のゴールデンウィーク明けに着工し、来年11月の完工を目指して(東京オリンピック期間中は休工)進められている。
しかし、複数の関係者が「このまま工事を進めれば、駅前の混乱に拍車がかかり、危険が増す」と工事計画の不備を指摘する。ある市民は、整備工事のレイアウト見直しを求める請願書を鎌倉市議会議長宛に提出した。
歩道を拡幅、バス待機所が減る
鎌倉駅東口ロータリーは南北にやや長い楕円形で、中央には2つのバス停が設置された交通島がある。この交通島の北側には、現在4台分のバスプール(待機所)があり、南側には29台分のタクシープールがある。このほかロータリー内にはタクシー乗り場1つのほか、交通島の2つを含め計7つのバス停があり、バス会社2社、タクシー会社2社が乗り入れている。
今回の工事の目的について鎌倉市道路課は「東口ロータリーは1999年度の工事を最後に大きな整備事業を行っておらず、車道・歩道ともに経年劣化で再舗装などが必要な状況になっている。また、観光客の増加で歩行者が車道にはみ出しているため、歩道を拡幅する必要がある」と説明する。
計画図面を見ると、混雑の激しい小町通り入口方面への歩道を現況の約5mから8mに広げるのをはじめ、全体的に歩道を拡幅する計画だ。一方、そのあおりを食う形で、バスプールが現況の4台分から3台分に減るほか、全体的に車道が狭くなるなどしている。
バス会社は、今回の工事計画策定に向けた市との協議の中で、「バスプールは、定時運行のためにも減らされては困る」と意見を述べ、その理由として「バスはダイヤ上、乗客を降ろした後に営業所に戻るものとなっているが、若宮大路(県道21号)の交通渋滞により営業所に戻ると間に合わないので、バスプールを使っている状況」との事情を明かした。
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