対イラン、日本は自衛隊派遣「要請」を断れない

イラン叩きはトランプ再選に不可欠な要素

イランはアメリカに続き、イギリスにも矛先を向けた。拿捕されたイギリスのタンカー「ステナ・インペロ」(写真:ロイター/アフロ)

ペルシャ湾の出入口であるホルムズ海峡を舞台に、アメリカとイランの緊張が高まっている。ホルムズ海峡は石油や天然ガスが通過するエネルギーの大動脈だ。日本に輸入される石油の80%、天然ガスの20%がホルムズ海峡を通過して運ばれる。ホルムズ海峡は、世界のチョークポイント(戦略的に重要な海域)なのである。

出光興産がイギリスの制止を振り切り、イラン産原油を輸入した日章丸事件(1953年)以来、イランと友好関係にある日本。その日本の安倍晋三首相が、この海洋地政学的現実を受け止め、アメリカとイランの“緊張緩和”を視野に入れて、6月13日、イランの最高指導者ハメネイ師と会談する外交的成果を実現した。

が、同日にアラブ首長国連邦(UAE)から出発した日本のタンカーがホルムズ海峡付近で、ミサイルを意味する「飛翔物」(タンカーを運航する国華産業社長の記者会見での発言)の攻撃によって損傷。同時にノルウェーの船舶も攻撃された。この結果、安倍首相がもくろんだ外交的成果は吹き飛び、緊張関係が高まってしまった。

アメリカのドナルド・トランプ大統領は直ちにこの2隻へのミサイル攻撃を、「イランの仕業」と断定。6月20日には、アメリカの無人機墜落をイランの仕業としてイラン攻撃を命令したが、「10分前に命令を撤回した」と報道された。戦争の瀬戸際まで進んだのだが、寸前の攻撃中止の報道はアメリカの本気度を示し、イランに“脅し”をかけた格好になる。

今度はイギリスとイランが拿捕し合う

その後も緊張が続く。ペルシャ湾においては、アメリカとイラン双方が無人機を撃墜。一方、イギリスが地中海の出入口であるジブラルタル海峡付近でイランのタンカーを拿捕すると、その報復としてイランがホルムズ海峡でイギリスのタンカー「ステナ・インペロ」を拿捕した。

特にイランによるイギリス船捕獲は、イギリスの威信を砕き、イラン制裁と距離を置いていたイギリスの態度が一変。イギリスは在英イラン資産の凍結などイラン制裁を検討している。アメリカがイランとの戦争も辞さない構えで、チキンレース(度胸試し)を継続しているが、イギリスがそのアメリカと同調したことは、イランの孤立を印象づけたと言える。

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