子どもが伸びる!自宅で「熱中体験」させる方法 「夏の自由研究」はやり方次第でこうも変わる

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それで、藤田さんは出来上がった作品の写真を撮ることにしました。角度を変えて何枚か撮りました。写真を撮りながら、藤田さんは「これをまとめて記録を作れば自由研究になるはずだ」と思いつきました。それで、撮った写真をスケッチブックに貼りました。完成作品の写真だけでなく、制作過程の写真、制作中の裕也君の写真なども貼りました。

そして、それを見せて裕也君から話を引き出しました。つまり、その作品の説明、感想、気づいたこと、工夫した点、苦労した点、自慢したい点などをしゃべってもらったのです。裕也君は喜んで話してくれたので、それを藤田さんがメモしました。そして、それを裕也君がスケッチブックの写真の下に書き写しました。

こういったことを、全部で15個の作品について行いました。そして、出来上がったスケッチブックの表紙に「藤田裕也ブロック作品集」と書いて学校に提出しました。「夏休みの自慢発表会」では、それを見ながら発表しました。先生に大いに褒めてもらい、友だちの評判もよく、裕也君はとても満足したそうです。

「なぜ?」から生まれる探究心を育む

次は大阪の吉田さん(仮名)の小学5年生の長女・みっちゃん(仮名)の例です。みっちゃんは飼い猫のぽんチャンが大好きで、よくかわいがっていました。そこで、吉田さんはみっちゃんにノートを渡しながら「ポンちゃんの絵を描いてよ」と言いました。

みっちゃんは喜んで描いてくれたので、吉田さんはその絵を褒めてから、「猫の体のパーツについて教えて」と頼みました。すると、みっちゃんは、「ポンちゃんのいちばん好きなところは、顔。かわいい顔に、立派なひげがあるのが面白い。肉球も大好き。これで猫パンチしてくるのがかわいい」と、楽しそうに話してくれました。

そこで、吉田さんは、「肉球って何の役に立つのかね?」と言いました。すると、みっちゃんは、「肉球はすべり止めだと思うよ」と答えました。でも、いま一つ自信がないようだったので、スマホで調べて見せてあげました。すると、みっちゃんはそれを読みながら、「やっぱりね。肉球の小さなくぼみから汗が出て、それがすべり止めになってるんだって」とうれしそうに話しました。

それで、吉田さんは、「せっかく調べたんだから、忘れないように大事なことをノートに書いておこう」と言ってみました。吉田さんは、「乗ってくるかな? ダメかな?」と思っていたのですが、みっちゃんは「そうだね」と言うや否や、すぐにノートに書き始めました。

みっちゃんは、イラストも描きながら楽しそうに取り組みました。そこで、吉田さんは「せっかくだから、これを夏休みの自由研究にしようか!」と言ってみました。

すると、みっちゃんも大賛成でした。「ポンちゃんのことをもっと詳しく書いて、それを自由研究にしよう」ということになりました。それからは、猫の行動を観察して写真を撮ったり気づいたことをメモしたりしました。

例えば、猫がよく体をなめているのに気づいて写真を撮りました。そして、なぜ猫が体をなめるのかネットで調べました。すると、それはグルーミング(毛づくろい)という行動であり、体を清潔にする、リラックスする、体についているビタミンDを吸収する、体温調整などの目的があることがわかりました。

次ページネットで調べるだけではなく図書館で本を読むように
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