分裂!「脱原発」派の憂鬱 都知事選、「脱原発」争点に賛同は半数
調査では先を行くが
一方の舛添氏は、今のところ各種の情勢調査で細川氏らを引き離す。第一声では、
「史上最高の五輪、世界一の東京を目指す」
と気炎を上げた。だが当初予定された与党幹事長そろい踏みは実現せず、動員も少なかったようで、かなり地味。印象に残ったのは応援弁士による細川氏の1億円借入問題へのネガティブキャンペーンぐらいだった。
直前の19日にあった沖縄県名護市長選で強引に保守一本化したのに、現職に大敗したことも尾を引いている。米軍普天間飛行場の移設が争点になり市民に拒否されたわけだから、政権の面目丸つぶれだが、追い打ちをかけたのが、応援作戦の不発と情報の混乱だ。
石破茂幹事長、河村建夫選対委員長、山本一太沖縄・北方相、田村憲久厚労相、衛藤晟一首相補佐官……。勝ちを見越して続々送り込んだが、自主投票の公明党とのきしみが逆に顕在化する結果に。地元記者も証言する。
「自民党系の政治団体が新顔について事務所を構え、電話作戦を展開したんです。何度も期日前投票を呼びかけて◎、○、△、×と色分けするから陣営もすっかり信用した。報道各社の情勢調査では現職有利でしたが、電話作戦のサンプル調査では僅差で、『これは行ける』とぬか喜びしたのです」
名護市長選投開票日の19日、東京での自民党大会は、ゲストの松崎しげるが「愛のメモリー」を熱唱するなど、お祭り騒ぎだった。
派閥領袖の一人は、「名護も我が方がいけるんじゃないか」とうそぶいたが、結果は大敗。沖縄の混乱が東京に伝染した。
小泉氏の次男の進次郎復興政務官が、「(舛添氏を)応援する大義はない」と断言したのを始め、脱原発派の河野太郎衆院議員も舛添氏が自民党を除名された経緯から「『自民党が支持している舛添要一氏』という言及は、正しくない」と主張。同じ脱原発派の秋本真利衆院議員は朝日新聞に「細川氏が発表する政策が我々の政策と合えば、積極的に支援したい」と答えた。