福島県川俣町民ら137人が東電を提訴

「地域を台無しにした」加害者責任を追及

平穏な生活を台無しにされた人々が提訴に踏み切った(中央の男性が菅野清一さん)

福島県川俣町山木屋地区は、阿武隈高地の標高500㍍の山中に位置する稲作や畜産が盛んな自然豊かな農村だった。それが、2011年3月11日の福島第一原子力発電所事故による放射能汚染で一変。国や東京電力から満足な情報も得られないまま、高い放射線量にさらされたうえ、4月22日には政府による指示で1200人近くにのぼる全住民が1カ月余りでの「計画的避難」を強いられた。住民は町内の比較的放射線量が低い場所に建設された仮設住宅や借り上げ住宅への入居を余儀なくされただけでなく、県内外の各地に散り散りになった。農業や畜産は一切が不可能になる大打撃を被ったのである。

住民の3割が法的手段活用へ

その山木屋地区の住民101人(25世帯)や南相馬市、双葉町など相双地区の住民ら計137人(35世帯)が、東電を相手取り、損害賠償請求訴訟を12月26日付けで福島地方裁判所いわき支部に起こした。請求総額は63億円に上る。

川俣町議会議員で原告団長を務める菅野清一さん(63)によれば、「山木屋地区では原子力損害賠償紛争解決センターによるADR(迅速な解決を目的とした裁判外紛争解決手続き)を活用している高齢者を中心とした住民が約50世帯にのぼる。そのほか、今後を含めると50世帯くらいが今回の裁判に参加することになるだろう」という。そうなると、原発事故以前の山木屋地区の世帯数(334世帯)の3割が、何らかの法的解決手段に訴えることになる。これだけ多くの地区住民が、政府・東電の方針に異議を申し立てるケースは福島県内でもきわめて異例だ。

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