福島県川俣町民ら137人が東電を提訴 「地域を台無しにした」加害者責任を追及

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しかし、年間に100億円を超す莫大な予算が投じられているにもかかわらず、国が進める放射性物質の除染にどれだけの効果があるのかは、はっきりしない。共同作業に依存する稲作や広大な土地を必要とする畜産業の再建もきわめて困難だ。

そうしたことから多くの住民は、「帰還または移住の見通しがまったく立っていない」(前出の菅野町議)。13年2月にまとまった山木屋地区住民アンケート(実施時期は12年8~9月)では「今すぐにでも帰還したい」と「放射線量低下などの条件付きで帰還したい」と答えた人が6割を上回った。ただし、最も回答が多かった「地域全体が年間1ミリシーベルト以下になること」の達成は容易でない。40代以下では「帰還するつもりはない」が4割を超えているなど、若い世代は別の場所に生活の基盤を求めようとしている。

原発事故がもたらした災厄はあまりにも大きい。
 

岡田 広行 東洋経済 解説部コラムニスト

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おかだ ひろゆき / Hiroyuki Okada

1966年10月生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。1990年、東洋経済新報社入社。産業部、『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部、企業情報部などを経て、現在、解説部コラムニスト。電力・ガス業界を担当し、エネルギー・環境問題について執筆するほか、2011年3月の東日本大震災発生以来、被災地の取材も続けている。著書に『被災弱者』(岩波新書)

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