転職では「成長カーブ」をチェックされている 「どこの会社に所属しているか」は関係ない

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同期でいちばんの出世頭で24歳で役職になったとか、毎年人事評価が最高評価で年収アップ率が倍増しているとかです。

こういった現時点の職場における評価は、その後転職を図る際における「品質保証」のような役割を果たします。

なぜならば、評価する側からしてもいちばん転職者を理解しているであろう現在の職場が高く評価をしている人材は優秀であろう、という先入観を違和感なく持てるからです。

いずれにせよ、そういった2つの視点でもって自分自身はどこにいればいちばん成長ができるのかを考えたうえで、どの職場を選ぶかを考えてみてください。

企業の大小は重視すべきポイントではない

その2つの視点で、客観的にも評価されるような軌道に自分自身を乗せることができるのであれば、その職場がベンチャー企業であるか、大手企業であるかなどはそもそも問題にならないはずです。

ベンチャー企業だとか大手企業というのは、そもそも一職業人を一個人として評価する際の基準にはなりえませんから、本質的には考える必要のない問題なのです。

「どこの会社に所属しているか」と「優秀であるか否か」はまったく関係がありませんし、キャリア上その「所属主体」だけによって評価が決まることなんてまったくありません。

転職にせよ、キャリアにせよ、主語というか評価される主体は「個人」なのです。

現在たまたまいる「職場のブランド」と「個人としてのブランド」は異なります。

そこを理解したうえで、自分ブランド磨きを怠らない努力を継続できるか否かが、キャリア開発における大きなポイントだと私は思っています。

少なくとも私自身は有名大学卒業でもありませんし、大手企業や外資系企業での経験はありませんでしたが、新卒でベンチャー企業に入り、20代で2社の上場企業の役員を経験し、戦略コンサル会社に28歳で転職し、30代で上場企業の社長にまでなっています。

そのような私自身のこのキャリア開発や考え方については拙著『非学歴エリート』を、転職にあたっての視点や戦略については『下剋上転職』をご参照いただければと思います。

いずれにしましても、所属する会社がどこかではなく、「自分はそこで何ができて、どう成長できるのか」の視点でもって職場は選ぶべきだと考えましょう。

そういった視点からのキャリア開発が、ひいてはご自身のキャリアの発展につながっていくのです。

中村さんが社会に出られ、今後ますますご活躍をされることを応援しております。

安井 元康 『非学歴エリート』著者

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やすい もとやす / Motoyasu Yasui

MCJ社長兼最高執行責任者(COO)。アニメーションの企画・制作を手掛けるベンチャー企業を経て、MCJにて東証への上場を経験。その後、経営共創基盤にて戦略コンサルタントして9年間活躍し、2016年3月にMCJに復帰。著書に学歴コンプレックスに悩みながらも独自の方法でキャリアを切り開いてきた様子を描いた『非学歴エリート』(飛鳥新社)や、自分ならではの人生を生きる術を描いた『極端のすすめ』(草思社)等がある。

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