セブンペイ不正使用と「闇営業」の意外な共通項 対照的だった2つの芸能事務所による対応
セブン-イレブン・ジャパンの決済システム「7pay(セブンペイ)」が、いかにして脆弱性を持つに至ったかについては前記事(セブンペイの不正アクセスはなぜ起きたのか)にて紹介した。古い時代に構築されたうえ、金融情報を扱わない簡素なセキュリティー設計だったシステムを決済システムの基礎として用いたことで、既知の問題を突いた不正利用が起きた可能性が極めて高い。
十分な安全対策が施されていないシステムを提供し、結果的に消費者に被害を与えたことは大きな問題だ。システム開発は外部委託していたとのことだが、システムの発注元として、納品時の検証を適切に実施していたのか大きな疑問が残る。
しかしながら、別の角度からみるとセブン&アイ・ホールディングスとセブンペイが開いた会見での広報対応も、システムの脆弱性と同じぐらいにお粗末なものだった。表面ばかりを取り繕い、責任の所在も曖昧にした状況説明に終始する様子は、自らが運営するサービスによって被害者が生まれていることへの責任感を感じさせないものだった。
対照的だった2つの芸能事務所による対応
この事例だけではなく、タレントたちが反社会的組織のパーティーに出席していた、いわゆる闇営業に関する話題では、事実関係に関する説明が二転三転したことも話題・批判を呼んだが、タレントたちと契約していた吉本興業の一連の説明に、闇営業そのものと同じぐらいの嫌悪感を覚えた人もいるだろう。
一方で同じパーティーに所属タレントのザブングルが出席していたワタナベエンターテインメントの対応は見事だった。適切な指導を(個人事業主であるタレントに)行い、法的な問題を解決(修正申告)を促したうえで、受けとった金額を明らかにした。さらに同金額を社会に還元すべく寄付先などを探していること、また謹慎期間中に社会奉仕活動を行うことも7月1日に発表した。
さらに一連の対応の経緯において、当初より金銭の受け取りをザブングルが認めていたのに対し、吉本興業所属タレントが金銭の受け取りを当初認めなかったため、内部調査で再確認も行っている。
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