それでも上司をCCに入れておくべき本質的理由 「報告書」を作るのはとんでもないロス
冷たい印象を与えてしまうテキストのメッセージは人間関係のすれ違いの原因になることも多く、効率化を徹底しすぎて、「人の気持ち」が離れていく、ひいては組織全体にダメージをもたらすこともあるでしょう。
また、「個人」で捉えると確かにスピードと効率は上がっているのですが、「組織」においてはそのきしみが垣間見えることもあります。
つまり、日々のテキストコミュニケーションが膨大になり、「処理できる人とそうでない人」の格差がどんどん広がってしまうのです。「Slackで送ってるよね?え?読んでないの?」みたいなコミュニケーションです。まさにデジタル化の弊害と言えます。
この弊害を解消するには、コミュニケーションの「時と場所」を変えることです。直接会って1時間話し合ったり、時には場所を変えて居酒屋で議論したり、休日に箱根の温泉旅館で語り合ったり……。
「いちいち居酒屋で3時間も飲むしかないのかよ、面倒くせぇ」
「せっかくの休日に行きたくもない箱根に行くのかよ」
「時間のムダだから、平日の朝早く来て話せばいいじゃん」
などと効率重視で考えると、相互理解から遠のくばかりか、逆に関係が悪化してしまうこともしばしばあります。
効率化を重視してしまう「ハイパフォーマー・マネジャー」が組織のマネジメントをする際に陥りやすい現象です。
「人」はロボットではないので、効率化には限界があります。テキストコミュニケーションと対面のコミュニケーションを上手に使い分けることも、仕事の効率化において重要なことなのです。
1泊2日の「合宿」のススメ
近年では、さまざまなベンチャー企業が「合宿」を行っています。
有名なのはサイバーエージェント社の「あした会議」で、役員やチームリーダーが1泊2日で未来の事業や課題解決を徹底的に議論します。そこで決まってスタートした新規事業は30にも及び、すでに営業利益100億円を叩き出しているといわれています。
僕が携わっているベンチャー企業でも「経営合宿」と称して、経営陣、5〜10名ぐらいの規模で、今後の経営方針や事業計画、その他日常では話せない重要事項を議論しています。
ただ、ここでの議論云々は実は二の次であり、日常のオフィスから離れた場所(例えば東京近郊であれば、伊豆、箱根、鎌倉など)で、「同じ釜のメシを食い」「一緒に風呂に入る」という非日常行為の共有のほうが大切だと思っています。
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