「代案」を出さないと世代交代は起きない!

【特別対談】神原一光×太田彩子 (1)

「代案」を出そう

太田 登壇者の方たちは皆、新しいスキームを具体的に提案・実践しているのですね。 

神原 僕はそれを「代案」と呼んでいます。

太田 代案?

神原 この世代が今までと違って新しいことを提案していくには、上の世代に提案して、説得して、支援してもらう必要があります。そのためには、不満だけ漏らしていたり、「やる気あります」を繰り返しているだけではダメだと思うのです。現状のスキームを更新する「代案」を出さないと、上の世代は「GO」サインを出せませんよね。具体的・戦略的な提案をしないと、俗に言う「世代交代」なんて起きないと感じましたね。

太田 バブル世代の上司は、人数も多いですからね。私も企業に訪問すると、役職がいっぱいあって驚きます。課長代理と課長補佐って、いったいどう違うのか(笑)。

神原 上司に、僕らに「任せよう」と思ってもらうには、ある意味、「ビジネスモデルごと」立ち上げないと。気を吐くだけじゃいけないなと。「ジセダイ勉強会」も、ただ局内限定で開催するだけだったら、単に“若手のガス抜き”と揶揄されても仕方ありません。本来は、これを番組化するところまで持っていけない。ですから局内だけで終わるものではなく、世に出せる勉強会にしたかった。その意味で、今回、書籍化を実現できたのは、とても意味のあることだったと思っていますし、そういうことに理解と支援をしてくれたNHKには感謝しています。

太田 単なる勉強会に終わらせず、新しい価値を次世代の社会創造のカタチにつなげていく。今までこういった勉強会は局内にはあったのですか?

神原 いえ、予算がつくというのは初の試みです。その意味で、前例をつくっていく世代として頑張っていこうという気持ちです。昨年、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催が決まりましたが、そこがひとつの大きな目標になりましたね。

太田 目標とは?

神原 これは同世代の友人から聞いた話なのですが、オリンピック開催が決まって「いよいよ、自分たちの時代が来る」と思ったと。

太田 万々歳じゃないですか?

神原 続きがあるのです。じゃあ上の世代はどう思ったかというと、「やった、生きているうちにオリンピックが来た! 8年後ならまだ生きているから、“今の”体制で頑張ろう」と言ったんだと。

太田 あ、席を空けてくれないんだ(笑)。

神原 はい。黙っていても、席は空かないということなんですよね(笑)。自分が逆の立場だったとしたら、同じことを思ったかもしれません。だからこそ、具体的で戦略的な「代案」が必要なのだと痛烈に思いましたね。僕らはさまざまな分野で、どんどん新しい企画を出し、「お前らにまかせる!」と言ってもらわないといけない。2020年が決まって、それがいっそう明確になったんだと思いましたね。

(構成:稲田豊史/収録場所:cafe lounge SUNS/第2回に続く)

『新世代トップランナーの戦いかた 僕たちはこうして仕事を面白くする』
20~30代のNHK職員を対象として2012年9月から開催しているトークセッション「ジセダイ勉強会」に招聘された8人の講演をまとめた1冊。登場するのは、起業家の安藤美冬、ライフネット生命社長の岩瀬大輔、野村不動産の刈内一博、三越伊勢丹セールスマネージャーの額田純嗣、NPO法人「二枚目の名刺」代表の廣優樹、コルク代表の佐渡島庸平、星海社新書初代編集長の柿内芳文、元プロ陸上選手の為末大。各界のトップランナーたちが明かす仕事観・仕事術はどれも刺激的なものばかりだ。
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