人手不足を嘆く地方の組織が陥る「4つの矛盾」

変化しない職場や地域に「明るい未来」はない

4つの矛盾だらけの話とは、どんなことでしょうか。それは以下のことです。

1. いい人材がほしいけど、給料はあまりあげたくない
2. 終身雇用はしないけど、会社には忠実でいてほしい
3. 即戦力になってほしいけど、教育投資はやりたくない
4. 積極性がほしいけど、自分には従順に従ってほしい

まず1. ですが、いい人材が欲しければ、権限と報酬を与えることは当たり前です。次に2. は、従来ならば終身雇用という安定性を担保していたからこそ、会社組織に忠実であることを要求できたのであって、雇用が不安定なのに忠実に働くことまで求めることは難しいわけです。

3. は、もし即戦力になってほしいのであれば、より優れた技術や経験を積める研修投資をしなくてはならないのに、「それは個々人でやってね」などと言って、できればおいしいところだけ組織で刈り取りたいということを平気で考えます。

最後の4. ですが、「これから必要なのは、イノベーションだ! 従来と違う画期的な発想を持って行動する積極的な人材がほしい」などと理想を並べておきながら、なんのことはない「自分に逆らうような人は駄目だ」というような具合です。

仕事ができる若い人ほど、辞めていく

冗談のようではありますが、実際に起きていることです。地方に人が来ないのは、確かに生産年齢人口の減少のようなマクロ要因もありますが、私に言わせれば、当事者側の組織問題のほうが大きいのでは、と思うところです。

その結果として、市役所などの行政側からは、仕事のできる若手公務員ほど、独立したり転職する人が増加していたり、都市部へより条件のいい教育や就労機会を目指して出ていったりするわけです。そのほうが合理的だから当然のことでもあります。

以前から地方の会議や、国の経営者が集まる会議で「もっと若者や女性の視点で改善しないと、ますます人が来なくなりますよ」と言っても、「そもそも最近の若い世代は苦労をしようとしない」といったような話で経営者たちが盛り上がってしまい、「ウチなんかこんなに人が来なくて大変なんだ」といった、訳のわからない苦労話に花が咲いて終わってしまいます。

しかも、最後は「外国人労働者を入れていこう」と安い労働力を導入することで、問題を先送りするということも少なくありません。抜本的に仕事を変えたり、人事制度を変更するよりも、はるかに簡単だからです。しかし、これまでやってきた仕組みをまったく変えずに温存しながら、仕事の引き受け手を探し続ける企業の将来の将来性はあるのか、甚だ疑問です。

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