ジョブズを演じた俳優がレノボに「入社」

「代言人」を超えたアシュトン・カッチャーの任務

驚くべき本気度のカッチャーのプレゼン

アシュトン・カッチャーはもともとPCやITビジネスへの造詣が深いことで有名で、自身が共同運営するベンチャーキャピタル「A-Grade Investments」でテクノロジー企業への投資実績をあげています。IT企業のブランド・アンバサダーの役割は彼の個人的興味にピッタリであったわけですが、それにしても、このイベントのライブストリーム映像を見て驚嘆させられるのが、カッチャーの本気度です。

彼は俳優としてではなく、一人の「tech-savvy」なIT専門家としての立場から、自分自身のスタイルで新製品について熱く語っています。「あのスティーブ・ジョブズがアップルからレノボに転職!」といったPRギミックのためにジョブズ風のプレゼンテーションをするのかと想像していると、完全に裏切られます。

イベントでは、MCがカッチャーを紹介すると、彼がレノボに就職した初日という想定のビデオが映し出されます。カッチャーは、グローバル企業に採用された普通の社員が経験するように、人事担当からオリエンテーションを受けてカンパニーツアーを行ない、IDカードや名刺を受け取って自分のデスクに収まります。途中、先輩エンジニアからのテクノロジーに関する質問に、専門用語を用いて立て板に水で回答する姿も描かれています。

ビデオからステージに切り替わると、カッチャーのプレゼンテーションがスタート。子供のころポケットベルを使い始めて感じた「人々とつながる」感動が、ITとネットワーキングへの興味を高めてくれたと過去を振り返りながら、話はレノボと組んだ理由へと展開。無難な選択よりリスクに挑むのが自分の哲学だと前ふりをした上で、レノボと言う企業は、ナンバーワンのPCメーカーでありながら、「me-too product」メーカーにはない革新性と、実行力重視の「Do」カルチャーを持っているのが魅力だと熱弁をふるいます。

続けて、レノボのタブレット最新機種の紹介。実機を手にしながら、Yogaというネーミングどおり、スタンドやチルトなど自在なポジションがとれる使い勝手の良さを実演し、「バッテリーはなんと18時間も持続します」と強調すると会場から拍手が起こりました。

TVドラマ出演のギャラが全米で最も高い(現在出演中のコメディー「Two and Half Men」では、1話あたり70万ドルと言われる)俳優が、ここまで自社製品にコミットしてくれるのですから、新製品の販促だけでなく、レノボの企業イメージアップへの貢献度は計り知れません。契約金は明らかにされていませんが、このイベント一回だけでも元が取れるのではないかとすら思います。

また、China Daily紙(2013年10月31日)は情報筋の話として、早晩カッチャーのアイディアに基いた製品が「AK」ブランドとして発売されるだろうと報じています。

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