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日本人が「他人に家事を任せられない」歴史背景 世界から学ぶ「家事外注」のこれから

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  • 中野 円佳 東京大学男女共同参画室特任助教
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中野:外国人家事労働者のUnion(組合)は聞いたことがありません。そもそもシンガポールは最低賃金がないので、外国人家事労働者については送り出し国が最低いくらというのを決めているケースがあります。あとは雇用先で虐待を受けるケースなどがあるので、駆け込み寺的なNPOやAssociationと銘打った支援団体はありますね。

筒井:ヨーロッパは組合社会だというのはありますね。日本でも組合はあまりあてにされていませんし、仕組みとしては有効ではないかもしれませんね。

外注を管理する負担

筒井:家事外注が広がっていくのにもう1つクリアしないといけないと思うのは、マネジメントの負担を減らすことですね。外注しても、何時にこれがきて、次はこれで、支払いがこれで、と指示や管理をすることに時間がかかると、「自分でやったほうが早いわ」となってしまう。

今まで負担がなかったところに負担ができると人は嫌がります。あれ、外注すると楽になるはずだったのに、意外と面倒くさいな、となってしまう。家事を外注するって、自営業者になって指示するような感覚もありますよね。

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中野:シンガポールでも、住み込みのメイドさんがいたとしても、例えば宿題を見る、子どもの心のケアをするなど親にしかできない仕事は残りますし、確かにメイドのマネジメントに心身をすり減らすケースも聞きます。いいメイドに出会うのが「宝くじ」のようにも言われます。ここももしかしたらITなどを駆使したイノベーションで越えていけるのかもしれません。

筒井:何事もやってみないとわからないと思うんですね。ただ、そのときに最初からこういうことが起こるかもしれないと念頭に置いておくと、何かが起こったときに理解ができるし、対応が早くなる。いちばんやってはいけないのは、あてが外れたときに「ほらみたことか」と言って、誰も何もやらなくなるということだと思うのです。

(後編に続く)

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