有人で運転再開、シーサイドラインの今後は? サービス改善と全国の鉄道の自動運転を

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そんな中、事故そのものは十分に反省した上で、運行会社と国交省の共同作業による今回の早期運転再開の判断は評価できる。事故原因が完全解明されるまで運転再開すべきでないとの声もあるが、手動運転なら今回と同事象が発生してもすぐさま非常停止できて事故には至らず、安全は確保できる。

今後、有人手動運転がニュートラムのように6年以上も続いたら、運行会社には大きな財務負担となり、路線を“破壊”させかねない。早期に再発防止策を施し、無人自動運転を復活させたい。

事象が起きた根幹の原因は不明だが、進行方向を切り替える際に、地上装置は正常に動作していたのに列車が逆走した。そうなっても重大事故に至らせない設備とすることが必須である。

十分な動作試験を繰り返して非常時は確実に動作することを確認した上で、無人運転の早期復活を望みたい。また、この問題は他の無人自動運転をしている路線にも同様の心配があり、調査の上、必要なら同様の措置をすべきだ。

思い切ったサービス改善を

シーサイドラインは、10.6km、14駅で平均駅間距離800m、所要時間24~25分である。それに対し、同じく無人自動運転のフランスのリール地下鉄1号線は、13.5km、18駅で平均駅間距離800m、所要時間22分である。

リール地下鉄は、駅に着いたらすぐに扉が開き、乗降が済んだらすぐに扉が閉まり、扉が閉まったらすぐに動き出し、加速も減速も素早い。

それに対し、日本の新交通システムも一般の鉄道も、駅に着いて数秒後に扉が開き、乗降が済んでもしばらく扉が閉まらず、扉が閉まって数秒後に動き出し、加速も減速もゆるい。

仮にシーサイドラインをリール地下鉄と同じ走り方に改めると、所要時間は17~18分になる。さらに、2018年4月17日付「小田急「複々線後」の新ダイヤは十分でない」で紹介した「千鳥停車」ダイヤとすると、15分程度となる。

安全第一とすることは言うまでもなく、逆走や暴走はもちろん、扉に人や物が挟まったままの出発などが起きないよう、多重系の防護システムとしたい。

また、無人自動運転は運転士の人件費がかからないのだから、本来は目一杯の高頻度運行として利用者の待ち時間を最小とすべきだ。リール地下鉄は最小1.5分おきである。

現行のシーサイドラインは、平日朝4分おき、夕5分おき、その他と土休日7.5分おきである。それを所要時間15分、終日1.5分おきとしても人件費はかからない。1編成あたりの車両数を弾力的に変更するようにして、たとえば平日朝3両、夕2両、その他と土休日1両とすると、車両費は現行より低額となる。朝夕は輸送力が増し混雑緩和できる。

高頻度化とフレキシブルな分割・併合のために技術開発と設備投資のコストを要するが、利便向上による利用増・売上げ増で賄える可能性は十分にあるのではないだろうか。

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