小田急「複々線後」の新ダイヤは十分ではない 改正から1カ月、改善すべき点が見えてきた
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構想から約50年、着工から約30年を経て小田急線の複々線が完成し、3月17日から新ダイヤとなった。
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朝ピーク上り1時間の運転本数が27本から36本に増え、混雑が大幅に緩和された。小田急は、最混雑区間(世田谷代田→下北沢)のピーク1時間混雑率が192%から150%程度に緩和されると予測している。運行本数が27本から36本に増えるなら、計算上の混雑率は144%だが、ダイヤ改善により京王線と東急田園都市線からのシフトが見込まれるので、妥当な予測だろう。
町田以遠には改善余地がある
かつての小田急は「駅に停まる各停、駅間に停まる急行」と言われた。複々線の延伸とともに、優等列車が先行の各停に詰まってのノロノロ運転が減り、今回さらに改善された。快速急行が登戸も停車になった一方、新設の通勤急行は登戸を通過、向ヶ丘遊園と成城学園前に停車し、両者は千鳥停車(選択停車とも言う)の関係である。
複々線化された向ヶ丘遊園→代々木上原は、10分に速達タイプ4本(快速急行2、通勤急行1、通勤準急1)と各停2本である。速達タイプは先行列車に詰まらずに走行でき、平均時速60km弱にアップした。
一方、複線のままの新百合ヶ丘→向ヶ丘遊園は、ピーク1時間に27本から29本に増えたことにより、速達タイプの先行列車への詰まりが大きくなり、全列車が平均時速40km以下である。速達タイプの各停への詰まりは継続のままだ。
また、向ヶ丘遊園→都心の平均混雑率は大幅に緩和されたが、町田以遠→都心の混雑緩和は顕著でない。快速急行5分おきは大奮発と一瞬思うが、実は改正前の急行の本数と変わらない。ネットを追うと意外に不満の声が多く、全体の輸送力は増強されても、長距離の速達タイプの輸送力が増強されていない点が大きいようだ。
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