アップル「WWDC19」開催直前、発表を大胆予想 iPhone、Apple Watch、Macがさらに進化する

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こうしたハードウェアの期待が集まる一方、macOSで動作するアプリに大きな変化が訪れることが、昨年すでに発表されている。iPad向けアプリをMac向けに動作させることができる仕組みが、今回一般の開発者にも解禁されるからだ。

すでにiOS 12に搭載されている株価、ニュース、ボイスメモといったアプリは、iPad向けをベースにMac向けアプリが作られた。この手法が開発者にも広がることで、すでにiPadとMacの双方にアプリを提供している開発者は、別々のアプリを作る手間が軽減され、iPadのみに存在していたアプリがMacに登場する可能性が高まる。

「iTunes」がなくなる?

例えばFacebook MessengerはiPad向けにはアプリがあるが、Macではブラウザーでしか利用できなかった。通知やグループ通話などより高度な機能をMacで実現できるようになる点は、ユーザーにも利便性が高いだろう。

iOSとmacOSの体験の共通化の中で、デジタル音楽の世界を切り開いてきた「iTunes」が終了する可能性も指摘されている。

iOSではMusic、iTunes Store、Podcast、Apple TVと4つのアプリで実現している機能が、MacではiTunesに集約されているのが現状だ。これを、先述のアプリ開発共通化の手法を活用しながらiOS風に分解するとみられている。

こうした細かいOSやアプリの変化は伝わってきているが、ではアップルがどんなビジョンを示し、どんなメッセージを呼びかけるのかに注目している。基調講演から見える未来の体験を、またリポートでお届けする。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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