アップル「WWDC19」開催直前、発表を大胆予想

iPhone、Apple Watch、Macがさらに進化する

アップルのスマートフォンのシェアは15%に満たないが、それ以外を占めるAndroid向けアプリの倍の売上高をApp Storeが上げている。開発者が依然として、開発コストや顧客満足度の面から「iPhoneファースト」(iPhoneアプリから事業展開する)戦略を重視している理由は、十分なコミュニティーとの対話と刺激にある。

またシリコンバレーの雰囲気からも、アップルのWWDCへの高い関心が見られる。アップルの基調講演を会議室で視聴する風景は珍しくなく、iPhone向けアプリの戦略はもちろん、テクノロジー業界がどう動くかを見据えるうえでも注目されているのだ。

開発者がWWDCに何としても参加したい理由

アップルはWWDCで、開発者と直接対話するチャンスを作り出している。とても簡単に言えばアップル側から、「最新のアップルのソフトウェア・プラットホームはこういうモノですので、向こう1年間は、こんな力点を置いてアプリ開発をしてみてはどうでしょうか?」と呼びかけを行っているイメージだ。

例えば2年前のWWDCではARKitを発表したが、これは「拡張現実アプリを作ってみてはどうでしょう?」という呼びかけだ。またSiriを強化する発表では、「あなたのアプリを声で操作できるようにしてはどうでしょう?」と勧めている。

ただ勧めるだけでなく、より多くの開発者が最新機能を盛り込んだアプリが作れるように、デバイス、基本ソフトウェア、開発者向けキットを整えるお膳立てをしており、これらをWWDCの各セッションで詳しく解説する。解説はビデオでも公開されるが、会場に来れば、Appleの技術者に質問することもできる。そこに来場の価値があるのだ。

最新の機能を活用したアプリをいち早く、しかも意味のある形でリリースすることは、スタートアップ企業にとっては投資を呼び込むチャンスとなる。すでに顧客を抱えるサービスであれば、既存顧客の顧客体験をより高めながら新規顧客を集める成長の手段になる。むこう1年の戦略やアドバンテージをいち早く組み立てられる意味で、開発者にとって重要な場だ。

一方のアップルにとっても、開発者との対話は欠かせない重要な機会となる。

アップルは例えば「世界最大のARプラットホームになった」と自社のプラットホームのすごさをアピールする。しかしそれが本当に活用されるには、開発者のアプリがあってこそで、最新のアプリ開発環境を整えながらニーズをつかむことが重要だ。iPhoneの躍進には、アプリを作る開発者の力が不可欠だったからだ。

アップルでは現在、iPhone、iPad、Mac、Apple Watch、Apple TV、HomePodといった主要製品がラインアップされている。これらに対して、iOS、macOS、watchOS、tvOSの4つのOS(基本ソフト)があり、それぞれで利用できるアプリ開発用のキットが用意される。

例年どおりこれらの4つのOSが刷新されることは既定路線といえる。これが基本的なプレゼンテーションのストーリーだ。そして気になるのはその中身。最も多くの人々に影響があるのがiPhone向けiOSの刷新となる。

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