「スキルアップ副業」の思わぬ「落とし穴」 起業や転職、老後に有効だからこそ注意

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副業のメリットは主に2つあります。1つ目は本業とは別のスキルや経験を得ることで「新しいキャリア形成」につながること。2つ目が生活費は本業で稼ぐ分、副業ではそれほどお金を気にせず「自分がやりたいことに挑戦できる」ことが挙げられます。

例えば、「異業種に転職したいけど、自分に適しているか不安」という人が、副業で就きたい業種で働くケースが当てはまります。また、「本業は研究開発をしているけど、実は将来カフェを経営してみたい」と思っている人が、週末だけカフェでアルバイトするなど、将来の転職や起業に向けた準備として副業を活用するケースも増えています。

企業では、希望すれば再雇用制度で65歳まで働くことができますが、「人生100年時代」では、65歳まで働いてもさらにその先に30年前後の老後があります。公的年金で足りない分は老後資金を準備しなければなりませんが、老後の年数が長ければ用意すべき額も膨らみます。

老後資金をより多く準備するには、収入を増やす必要もあり、副業はその助けになります。もちろんそれだけでも大きな意味がありますが、私が着目しているのは副業でスキルを身に付けることの副次的作用です。

本業以外に複数のスキルを身に付けておけば、会社を辞めた後も副業を継続し、65歳以降も収入を得ることが十分可能になるからです。夫婦で月20万円程度の年金があり、仕事で月数万円の収入を得ることができれば、基本的な生活費は賄うことができます。さらに、働ける間は年金を受け取らず、繰下げ受給にして年金を増やす、という選択肢も生まれます。

働いている間、資産を取り崩さなくて済めば、かなり安心でしょう。つまり、細くても長く働くことは、老後資金をつくるのと同様に大事なことであり、その意味でも現役時代から副業を持つのは大きな意味があるといえるのです(『65歳以降「毎月5万円稼ぐ人」に訪れる幸福』を参照してみてください)。

副業先でも社会保険加入が必要なケースも

副業をする際、「社会保険」がどうなるかも知っておきましょう。社会保険とは、健康保険、介護保険、年金保険、労災保険です。

副業にもさまざまな形がありますが、本業の勤務先とは別の会社でアルバイトをする(雇用される)場合には、社会保険の加入条件に該当する可能性があります。

該当するのは、1週の所定労働時間、および1カ月の所定労働日数が常時雇用者の4分の3以上の場合です。

また、➀1週の所定労働時間が20時間以上ある、②1年以上の雇用が見込まれる、③賃金の月額が8万8000円以上、④学生でない、⑤常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めている(常時500人以下の企業でも、労使合意に基づき申出をする事業所および地方公共団体に属する事業所で務めている場合は加入対象)のいずれにも該当する場合も、社会保険加入となります。

社会保険の加入要件に該当する場合は、年金事務所に「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出するなど、事実発生から10日以内に自身で手続きする必要があります。郵送でも手続きできます。

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