デキる人は「お金に換算」して提案を通している 「数字で考える習慣」はだから有用だ
例えばあなたが、勉強会をすることで販促を検討することを上司に提案しました。いい提案かもしれません。しかし、立場を逆にしてあなたが上司の営業責任者であったらどうでしょうか? 勉強会の実施は有効かもしれない。しかし営業担当を集めて、勉強会を実施したとしても、効果が出ない可能性もあります。それは避けたいものです。時間もコストもかかります。それで効果が思わしくなければ目も当てられません。
つまり、営業責任者の気持ちとしては、「勉強会はいいけれど、効果はどれくらいあるの?」あるいは「投資に見合った効果があるのかどうか」をざっくりとでもいいので知りたいのです。
その際に、例えば、あなたが次のように回答できたらいかがでしょうか?
「首都圏と比較すると、関西とその他のエリアの商品Bの基本企画の売り上げは1人あたり月額60万円少ないことがわかっています。もしも今回の勉強会に参加した営業のうち半数が、その差額の60万円の売り上げ向上ができたとしたらどうでしょうか? 関西の営業担当は6名、エリアの営業担当は15名です。(6人+15人)×60万円/月×50%=630万円/月となります。5月の売り上げ1億500万円を基準に考えると、630万円÷1億500万円=約6%の売り上げの向上を見込めます。これで当初の目標の5%を超えることができます。
ポイントは2つです。首都圏との差分である60万円を埋められるような改善点を見つけることができるのか? もう1つは、それを勉強会として仕立てた際に参加者の半数に効果が出せるようなコンテンツを作成できるのかです。この両者について詳細を検討するので、その際は事前にチェックいただけないでしょうか?」
このように、勉強会を企画する商品Bの企画担当に、この程度の売り上げアップ(参加者の半数が月額60万円売り上げアップできる)を見込めるような勉強会の企画内容(コンテンツ)を作れるのかどうかを検討してもらうといいわけです。
同時に投資額も考えて費用対効果の数値を出す
このとき、月額600万円の売り上げアップという効果(Return)を推測するのと同時に、そこにかける投資(Investment)も確認しておくことが必要です。
例えば、移動コストがエリア「5万円/人」「関西3万円/人」とします。移動コストの合計は、関西分3万円×6人+エリア分5万円×15人=93万円となります。
また勉強会の移動のために1日営業できなくなります。1日当たりの営業の損失売り上げを5月分の売り上げから計算すると、関西分月間売り上げ1680万円/月間営業日数20日=84万円/日、それにエリア分月間売り上げ3900万円/月間営業日数20日=195万円/日を加えると、279万円となります。もしも今回の勉強会のために営業担当を1日拘束すると(移動コスト)93万円+(売り上げ減少)279万円=372万円となります。
売り上げ増加を600万円と想定しましたので、投資対効果は「効果600万円÷投資372万円」=161%です。つまり372万円の投資をして、600万円の売り上げしか上がらないので投資対効果は161%だということです。
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