デキる人は「お金に換算」して提案を通している 「数字で考える習慣」はだから有用だ

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161%という数字は投資よりも効果のほうが61%大きいということですので、いい数値です。ところが冷静に考えてみると、投資側の372万円という数値はリアルな数値。リアルと書いたのは間違いなく使うコストです。一方の、効果側の数値はあくまでも推定、あるいは願望にすぎません。

空手形の可能性もあります。これでは上司は勉強会を実施するのを躊躇してしまいます。

そこで、勉強会をテレビ会議で実施してはどうでしょうか。移動時間がなくなるので、営業の拘束時間を営業時間の半分にできます。移動コストの93万円も不要になります。また半日拘束ですから、損失売り上げは279万円の半分の140万円になります。

でも、テレビ会議では、効果も少し下がるかもしれません。売り上げ側の効果も減らして、600万円×90%と見積もると540万円になります。するとテレビ会議で実施した場合の投資対効果は、「効果540万円÷投資140万円」=約3.9倍。約4倍ですので投資対効果はかなり高いと言えるでしょう。これならば、勉強会の実施を判断できるかもしれません。

『「数字で考える」は武器になる』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

さらに勉強会の売り上げ効果が一過性ではなく一定期間見込める、仮に今後半年間効果があるとしたら「効果540万円×6カ月」=3240万円となります。すると投資対効果は、「3240万円÷投資140万円」=約23倍となり、これならば、営業責任者の上司は、勉強会を実施すべきだと判断できるのではなないでしょうか。

ここで計算に使ったのは四則演算だけです。四則演算だけで、営業向け勉強会の可否の判断がしやすくなったのではないでしょうか?

「数字でビジネスを考える」は、決して難しいことではありません。「数字が苦手」「文系だから」と言わずに、ぜひ数字で考えるスキルを磨いて、ビジネスにお役立てください。

中尾 隆一郎 中尾マネジメント研究所(NMI) 代表取締役社長、旅工房 取締役

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なかお りゅういちろう / Ryuichiro Nakao

株式会社中尾マネジメント研究所(NMI)代表取締役社長。株式会社旅工房取締役。株式会社LIFULL取締役。株式会社博報堂DYホールディングスフェロー。LiNKX株式会社監査役。1989年、株式会社リクルート入社。2018年まで29年間同社勤務。2019年NMI設立。
専門は、事業執行、事業開発、マーケティング、人材採用、組織創り、KPIマネジメント、経営者育成、リーダー育成、OJTマネジメント、G-POPマネジメント、管理会計など。
著書に『「数字で考える」は武器になる』『1000人のエリートを育てた 爆伸びマネジメント』(かんき出版)など多数。

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