たとえばGMATの問題で、しょっぱなから間違えまくると、コンピュータに「この人はアホなので、難しい質問しても無駄」とみなされ、簡単な質問ばかり出されるため、その後、正答率が上がっても、いい得点がとれないというユニークな仕組みなのだ。
逆にテストの序盤で難しい質問にバシバシ正しく応えると、コンピュータに「この受験者は手ごわい」とみなされる。そしてその後も難しい問題が続くので、苦戦した印象を抱くのだが、結果的に「あなたは難しい質問によく答えました」ということで高得点が出るシステムなのである。
GMATは、別に高度に発達した抽象志向の能力を見ることはできないが、基礎的な学力や基礎的な論理的思考力およびそのスピードを見るのに適したテストだ。よって、意味のない付け焼き刃の知識を問う、無意味な入社試験を課している会社は、GMATに切り替えることをお勧めしたいくらいである(実際にコンサルティングファームの筆記試験ではGMATみたいなテストが使用される)。
TOEFLもGMATも大儲け?
英語力を図るTOEFLのiBT(インターネットベース)は、感心するほど大変よくできており、確かに読み書きだけでなく、聞いて話せなければ高得点が出ないようになっている。日本の中高の難解な文法ルールだらけの、超つまらない、全然、使えない英語教育を全廃して、TOEFL iBT対策だけに費やしたら、よっぽど日本社会全体の“使える英語力”が上がることだろう。
ただしTOEFLを運営する会社のETSは金儲け主義が強すぎるのではないか、と不快に思うことも多い。語学力は2年とかでそんなに衰えたりしないと思うが、スコアの有効期限が2年で切れるので、その後、必要になったときは再度、受験しなければならないのだ。なにかと何度もテストを受けさせて稼ごう(1回当たり200ドルくらいとられる)という意図が強く感じられるので、この点、良心的な改善を促したい。
思えばTOEFLにしてもGMATにしてもコンピューターベースで自動的に採点する部分も多いため人件費も大してかからず、かなり儲かるビジネスであろう。
当たり前だが、出願時に登録する電話番号に気をつけて!
これら筆記試験が終わった後に自分の成功体験や失敗体験や将来ビジョンやらを書くエッセイで、何カ月も格闘した後(このエッセイがMBA入試プロセスで何よりもいちばん大変で時間をとられる)、勤務先の上司や元勤務先の元上司に推薦状を書いてもらって出願する。
そしてこの書類選考に通過したら2度ほど面接に呼ばれ、ドキドキしながら合否発表を数週間待った後に、はるばるフランスから携帯電話に合格発表の電話が舞い込むのだ。
ちなみに私は登録する電話番号を間違えたので電話がかかってこず、しばらく不合格したと思い込んでいたところ、突然、メールで授業料の振り込みのお話とかが舞い込んできてビビったものである。
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