MBA留学で得たもの
さて、「やっと本題かい」という感じだが、MBA留学でのすばらしい思い出を短いコラムにまとめるのは至難の業なわけだが、得たもの3大ランキングを言うと、1位はありきたりで申し訳ないのだが、やはり「世界中に広がる信頼できる優秀な友人ネットワーク」であろう。
INSEADとか行くと本当に学生が80カ国とかから来ているので、おなじみのアメリカ人やイギリス人やインド人や中国人、韓国人、ロシア人だけでなく、ペルーやらパキスタンやらサウジアラビアやらアルメニアやらナイジェリアやらトルコやら、キルギスタンやらレバノンやら、ニュージーランドやらモーリシャスやら、とにもかくにも世界中に友人ができる。
これは驚くべきことで、視野が広がるどころの騒ぎではなく、自分たちの国や暮らしぶりを世界の視点で相対化してみることができるようになるし、なんといっても今までグローバルに働いていると思ってきた自分が、どれだけローカルで世界のごく一部しか知らないのか、身を持って実感することになる。
自分が今、暮らしている国や社会がすべてではなく、数多い選択肢のひとつにすぎなくなるというパラダイムシフト的な感覚を得ることができたのは、たいへん大きかった。
授業は別次元の面白さ~教授間の競争原理
次に、授業があまりにも面白く、学校の授業ってこんなに面白くできるものなのだ、とクラスのクオリティに感嘆した。おかげさまでプレゼンというか、ヒトに物事を伝えるときの工夫のベンチマークがそうとう高まった気がする。
もちろん中には面白くない授業もあるのだが、総じてトップクラスのビジネススクールは有能な人気教授をお互い引き抜き合うので、人気教授の値段は釣り上がる。逆に学生からの評価が低い教授はあっという間に首になるので、どこぞの国の大学教授のように、自分が書いた誰も買わないテキストの棒読みといった無気力相撲もビックリの無気力授業は存在しない。
世界的な大企業の経営陣や社会企業家、ベンチャーキャピタリストが頻繁に授業の講演に訪れて体験談を聴かせてくれるし、おなじみのケースメソッドにとどまらず、いろいろなロールプレーを通じて実社会で実践的に使えるような直感(たんなる知識ではなく、直感的に腑に落ちるレベル)を伝えてくれる。
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