「レンワールでお茶する」とはいったい何か ちょっとやっかいな英語における外来語

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さて固有名詞の外来語、その中でもちょっと特殊なのが中国人の名前ですね。先の例に出てきた「チェアマンマオ」は「毛主席」のことです。

ここで冒頭の前置きに戻りますと、どういういきさつかわかりませんが、現在日本では中国人の名前は日本の音読みで読むことになっています。そして日本の音読み「モウ」は現代中国語では「マオ」という異なる発音になっているので、せっかくの同じ「毛」という漢字を使っていても通じません。

そればかりか、英語でも「マオ」と発音するので「それは中国の指導者の名前だよ」と隣にいたカナダ人あたりに教えてもらうことになってしまいます。日本人は中国の歴史や文学に対する教養が非常に豊かだと思うのですが、この漢字の読みの問題でちょっと損をしているような気もします。

言葉も生活も相互に影響し合っている

中国人に伝わらない中国語の身近な例では「餃子」があります。中国語では「チャオズ」と読みますが、これに「ギョーザ」という読みをするのは日本だけで、その理由には諸説あるようですが、いずれにしても中国から伝わった食べ物であるにもかかわらず中国人に夕べ何を食べたかを伝えられないという状態になっています。

外国語、と言ってもその歴史は複雑で、外国語の中にもさらに外来語があり、日本では別な読み方や別の言葉を当てているケースがあります。

今回なぜこれをテーマにしたかといいますと、どうしても私たちはほかの国の人をステレオタイプに理解しがちです。しかし、こうして外来語の成り立ちを見ただけでも、私たちの文化は相互に影響し合っていることがわかります。そして言葉だけでなく、生活も実に多様なものが混在し、影響し合っています。

外来語由来の英語のスペルはちょっと特殊なのですが、幸い現代はネットで簡単にスペルを調べることができます。そのついでに一瞬寄り道をしてその単語のオリジナルについて調べるのも面白いかもしれません。私の場合日本語の検索をするとき、ついでに語源を調べることが趣味にさえなっています。ウサギはなぜ1羽2羽と数えるかなどですね。

パソコンやスマートフォンなどは誰もが情報に触れられる便利さを今の時代に提供しました。しかし時としてそのテクノロジーが人々を分断する方向に使われることがあるのは、ITの仕事をしている身としてはなんとも悲しいものがあります。

ちょっとだけ事の始まりを調べるだけで、わかり合える機会になる情報も見つけられるのではないでしょうか。テクノロジーによって、令和という時代が今よりさらによい時代になればいいと思います。

デビット・ベネット テンストレント最高顧客責任者

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David Bennett

1979年にジャマイカで生まれ、カナダ国籍を持つ。カナダトロント大学大学院卒。早稲田大学にて日本語を習得、学習院女子大学大学院にて日本古典文学を学ぶ。東京でコンサルタントとして社会人キャリアをスタート。AMD社コーポレートバイスプレジデント、および同社のレノボアカウントチームのゼネラルマネージャーを務め、コンシューマー、コマーシャル、グラフィックス、エンタープライズプラットフォームなど広範な事業を手掛ける。2018年5月レノボ・ジャパン社長に就任、2022年6月から現職。古典文学が好き。

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