質問者の方はなぜ外資系企業に入りたいと思うのでしょうか? もしも東京オフィスなら、もちろん海外ではなく東京が主戦場となります。投資銀行とはただの法人向け証券会社ですし、たとえば外資系金融機関の東京オフィスで株や債券の営業になったとしたら、日本の地方の宗教法人や大学などというのは大きなお客さんになります。ご自分のキャラとしてピッチ(顧客への提案営業)をし続けて時々マンモスを狩るような狩猟型のビジネスが向いているのかどうかは考えるべきです。
誰でも数カ国語を話すヨーロッパなどに比べて、英語力がいちばん高く売れる国は日本なので、日本の一流商社やメーカーに入って、いろいろな国に商売をしに行くこともご一考ください。中途で外資系金融から商社に入っても二級市民ですし、同期のみんなと新人時代の話ができません。
強く優しくパンクに生きろ
質問者の方は「学生生活は始まったばかりですが、就職に関して心配でなりません」とおっしゃいますが、本当に心配なら、弁護士でも公認会計士でも資格を取ればいいと思います。世界のいろいろな場所で暮らしたことがあり、英語もできて資格もあれば、何かしら就職先もあることでしょう。そこまでやりたくないと言うならそこまでです。
今ならプログラミングだってすぐにマスターできることでしょうし、英語ができてハッカーだったら、いくらでも稼ぐ道はあることでしょう。ファッション界の帝王ラガーフェルドですら隠れて努力しているようです。「現在より昔のほうがよいのなら、努力をする必要はないし窓から飛び降りればいい」と。
最後になりますが、質問者の方がご自分はgiftedだと思うなら、小さなことは気にせず、大切な人が困ったときに助けられるような力のある社会人になってください、筆者もその昔、マスター・キートンにあこがれて大人になる決意をしました。仕事の中でのプロ同士の友情も楽しいですが、学生のうちに男女を問わず損得抜きのバカ話ができる友達ができたらすてきです。それができれば、スキルだ資格だなんてどうでもいい話です。
「この国には何でもある。だが、希望だけがない」という言葉が出てくる小説がありましたが、ないのは飢餓感だと思います。学生なんて何のリスクもありません。生きたくても生きられない人はたくさんいます。自由の刑に処されずに、健康で明日の食べ物にも困らずにいることを単なる運だと思って、強く優しくパンクに生きてください。
※ 筆者の最新刊『20代のための「キャリア」と「仕事」入門』が発売中
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