クネクネの髪の毛を「定規一本」で計るやり方 東大教授伝授、小学生でもわかる微分・積分

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「微分・積分」と聞いて震え上がっていませんか?小学生でもわかる方法とは?(写真:よっし / PIXTA)
学生時代に数学で挫折したという文系の人にとって、なかでも最大の難関は「微分・積分」だったのでは? この高校数学の“大ボス”で完全に脱落した……という人も少なくないだろう。
だが、『東大の先生! 文系の私に超わかりやすく数学を教えてください!』の著者である西成活裕教授は、「微分・積分の概念は、小学生でもわかるくらい簡単だ」と言う。実際に一般の小学生にも「数学を好きになってほしい」という思いで微積分をかみ砕いて教えているという西成教授に、数学アレルギーを持つ私たちでも理解できる微積分の考え方を聞いた。

微分・積分は恐ろしいモンスターではない

数学を使って研究をしている私としては、「微分・積分」は人類が生み出した最高の知恵だと思っています。

ところが、数学で挫折してしまった人々にとっては、微積分というものは「とにかく難解で、なにがなんだかわからない」怪物のようなイメージかもしれません。これには、わかりにくい学校の授業も関係していると思います。

私としては、「人類の宝」ともいえる微分・積分はそんなに怖いものではない、ということを声を大にして伝えたい。そして、数学のおもしろさを大人にも子どもにも知ってほしいという思いで、研究の傍ら数学を広める活動もしています。

実際、小学生の子どもたちに「微分・積分」を教えると、その概念をちゃんとわかってもらえるほど単純です。

そもそも、大昔に「こんなことを計算したいなぁ」という暮らしのニーズから生まれているツールなのですから、「こういったことを測るために微分・積分は生まれました」とわかりやすい言葉で説明すれば誰でも理解できるはずなのです。

まず、「微分」というのは、「微細に分ける」、つまり細かく分けて調べるという意味です。そして、細かく分けて計測していったそれらを足す作業が「積分」です。「分けたものを積もらせる」から積分というわけです。

この概念を分かってもらうため、小学3年生の子どもたちに、こんなクイズを出しました。

「髪の毛の長さを測ってみよう!」

髪の毛って髪質によって違いますが、それなりに長さがあると、直線でも放物線でもなくてクネクネしていますよね。そのクネクネした形のままセロハンテープで紙に貼ってもらうのです。

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