学校教師の転職サイトへの登録が急増するワケ

エージェントが明かす先生たちの苦悩と進路

一時期は、教員試験に受かっても、なかなか“枠”がなく、学校に勤められない人が多いことも問題となった。しかし、現在は、全国的には教員採用試験の倍率は低下傾向で、採用倍率が1・2倍の自治体も出てきている。

「以前に比べれば、教師にはなりやすくなったと思います。もちろん非正規も含めてですが。なりやすく入り口が広がれば、昔みたいに“教師以外考えられない”と強く思う人だけではなくなり、そのぶん出ていく人も増えていて、私の周りにも、なったはいいけど、やはり違うなって辞めて一般企業に再就職する人も少なくないですね」(前出・教員の女性)

辞める教師の転職先は

辞める教師は、どういった転職先が多いのだろうか。

「時間のなさや理想とのギャップで辞める人は多いのですが、経験を活かせる職種ということで、やはり教育系がほとんどですね。しかし、そうなると塾講師や学習教材の編集など、職種が限られてしまう。若ければ業種を変えやすいですが、30歳を越えるとそれもなかなか難しい。

教師はある意味“特殊技能”であり、応用やつぶしがききにくい。一般企業の視点で見ると、“未経験”に近いととらえられてしまう場合も多いのです。一般的なビジネスマナーなどを知らない人も多いです。教育系以外を志望する人は、“未経験OK”の職場に決まるケースが多い印象ですね」(前出・転職エージェント)

職種が限られてしまうことに加え、もうひとつの問題が。

「平日は授業などがあって時間がとれない。休日も部活などで時間をとれない人も多いですね。しかし、時間をかけないと決まらない。

また、教育の現場は、4月から始まって3月に終わるという“年度制”で動いていますから、転職時期が春のタイミングに限られる。職場を辞めるというのは誰もが持つ権利ですから、何月だろうが辞めていいわけですが、やはり生徒を受け持っていれば、“途中で投げ出すことはできない”と、4月のタイミングで転職という人がほとんどですね。

本当に大変で嫌なら、投げ出しちゃっていいと思うんですけどね(苦笑)。そこでできなければ、1年後という人も多いです」(同・転職エージェント)

スムーズに決まる転職先はなく、苦労して取得した免許も無に帰するような“未経験OK”の職場となれば必然的に……。

「年収は下がってしまう人が多いですね。イメージとして400万円台から300万円台になる人が多い。これは転職先だけの問題ではなくて、あまり金銭面を考えていない人が多いという側面もあります。公的な仕事に近い教師という立場にあったことで、“お金を稼ぐ”ということに少し後ろめたさを感じているような人もいます」

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