「移民=労働者」の固定観念は捨てるべきだ

「外国人」「移民」ラベルが独り歩きの日本

僕は全ての社会問題に対して当事者であることなんて絶対にできないと思っているし、当事者性みたいなものを捏造して、自分は同じ体験をしているからあなたと同じことが分かりますよと言うつもりは全然ない。

だから、分からないこと、自分が経験していないことを目の前の人が経験していることに対して、できるだけ謙虚に想像させていただいているという......そういう感じかもしれない。それで、想像が間違っていたらすみません、直します、と。その態度はすごく大事だと、少なくとも僕自身は思っている。ただ、どうしても想像が及ばずに人を傷つけてしまうこともある、それを引き受けることも大切なことだと思う。

僕は「ちゃんと分かりたい」というのは常にある

――見て見ぬふりをするとか、想像しないという選択肢もあるなかで、想像してみていいことって何だろう。

僕の場合は、自分と違うものに対しての関心があるのだと思う。それは道徳的な意味ではなくて、単に知りたい、分かりたいという気持ち。何でもそうで、子供から大人になっていくうちに、世の中のことを知りたいとか、友達のことを理解したいとか、そうやってどんどん広い世界を知っていって、自分の国以外のことを学ぶとか、いろいろなことを知ってきたのだと思う。

『ふたつの日本――「移民国家」の建前と現実』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

自分が過ごしてきたこの人生というのは他の人とは違うし、世界に75億個(の人生が)あるんだなということへの驚きがある。あとはやはり、ひとりひとりや社会について知っていくことに、究極的には喜びがあると僕は思っていて。それに尽きるのかなと思う。

自分の中にある他者への関心というのにちゃんと応えようとすると、人の話を聞くときは想像力をもって聞くことになると思うし、こういう本を作るときにも、できるだけ事実を突き詰めていくことがとても大事だと思う。

他者に対する関心に対して、ありもののステレオタイプでとりあえず応えるということは、ファストフード的で最も楽ではある。食欲にマック、という感じで。でもそれだと実際に自分の関心に対して応えていないと思うし、単純に、他者に対して誠実ではないと思う。

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