「移民=労働者」の固定観念は捨てるべきだ 「外国人」「移民」ラベルが独り歩きの日本
4月1日、改正入管法が施行され、外国人労働者の受け入れ拡大が見込まれている。そんな「移民国家」に生きる私たちにとって「彼ら」は敵なのか? 『ふたつの日本――「移民国家」の建前と現実』を上梓した気鋭のライター・望月優大氏に聞いた
今の日本を、望月はどう見ているのか
4月1日に改正入管法が施行され、「特定技能」という新たな在留資格での外国人労働者の受け入れがスタートした。今後5年間で、新たに最大34.5万人の外国人労働者が日本にやって来ることが見込まれる。
そんな今の日本を、望月はどう見ているのか。なぜ彼は、「移民」について考え発信するのか。
『ふたつの日本』は、「移民国家・日本」の状況を歴史的な背景と今日的な事情から丁寧に読み解きながら、その全体像を客観的なデータを豊富に使って提示していく――そうして炙り出された問題点に、望月自身がこの国に生きる1人として誠実に向き合おうとする姿勢がにじみ出ている良書だ。
発売から1カ月がたつなか各方面でも話題を集めているが、これを読んだ人はきっと、「望月優大の頭の中」についてもっと知りたくなるだろう。同書に紡がれた彼のまなざしと哲学、その源泉とも言える他者に対する想像力はどこから来るのか。それを探るべく質問をぶつけてみると、望月はときに言葉を止め、沈黙し、うーんと考え込みながら答えてくれた。
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