"和製LCC"ピーチが成功したこれだけの理由 井上CEOが語る、格安航空の必要条件
ピーチはライフスタイルを変えるツール
――ピーチは就航開始から約1年半後の2013年9月に、累計搭乗者数300万人を達成しました。
当初計画よりも、2カ月早く到達しました。ピーチが就航を開始する前の関西国際空港は、年間利用者が1400万人程度でしたから、約2割を運んだ計算になります。これまでの平均搭乗率は約85%と、当初想定していた70~75%程度よりも高く推移しています。株主との約束でもありますが、今年度(2014年3月期)に単年度黒字化、2015年度に累積損失を一掃するという目標に向かって、ひた走っています。
ピーチのお客様は初めて航空機に乗る人が多く、男女比率が1:1と女性が多いことも特徴なのですが、潜在需要を掘り起こし、リピーターの獲得にもつながっています。ライフスタイルを変えるためのツールとして、ピーチを使いこなし始めてくださっています。
――その要因は何でしょうか。
私たちは就航開始前に、ビジネスプランを相当練り上げたという自負があります。それがよかったのではないかと思っています。
まずLCCの特徴である手頃な価格と、それを支えるコスト構造ができていることです。たとえば、関空―ソウル(仁川)の日帰り往復運賃は最安7000円台。それとブランドです。2013年秋に成田―関空線を就航した際、(元AKB48の)篠田麻里子さんとのコラボレーションにより、「キュート&クール」というコンセプトを強く訴えたのですが、うまく受け止められました。