"和製LCC"ピーチが成功したこれだけの理由 井上CEOが語る、格安航空の必要条件
――昨年秋には成田―関空線の運航も開始しました。
私たちは関西の会社なので、それほど首都圏にこだわっていませんでしたが、東京と大阪の間には年間5000万人程度の流動がある。
また、実は成田線の就航前に、ピーチの利用者数を都道府県別で調べたら、12位に東京都が入っており、首都圏という一つの大きなマーケットをカバーしておくことには価値があると思いました。
ピーチは2013年末時点で、エアバスの「A320-200」を11機運航していますが、2015年末には17機体制まで増やします。その過程で関空に続く新たな拠点も設けますが、成田ではありません。
「関空プラス1」計画が進行中
――代わりに、今年中に那覇空港を第2拠点とする計画が進んでいるようですね。
ピーチはアジアのリージョナルエアラインになるという目標を掲げています。ただ、片道4時間しか飛ばないモデルなので、関空を拠点にしているとおのずと限界があります。沖縄はアジアのさらに南をカバーできます。(成田を拠点にする計画が)未来永劫ないとは言い切れませんが、成田ではアジアをカバーできません。
――ピーチのようなLCCの登場により、日本の空は変わってきますか。
変わってくると思います。欧米はLCC先進国でそのマーケットシェアは3~4割ですが、今の日本は数%。まだまだ発展する余地が大きい。LCCが発展すれば、航空機はもっと手軽な乗り物になる。そして(フルラインサービスの大手航空会社などとの)使い分けが始まり、航空の総需要が飛躍的に増大すると思います。欧州は10年間で航空需要が2倍になった。同じことは日本にも起きる可能性があります。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら