先進国の子も「労働力」にするコワい教育の歴史

アップルが「画一的な教育」に異を唱えるワケ

労働者の効率と生産性を重視したために整えられた「学校」のあり方とは(写真:imtmphoto/iStock)
暗記が主体の画一的な詰め込み学習、そして型に合わない生徒は「落ちこぼれ」とみなされてしまう今の教育システムに疑問を持つ人も少なくないだろう。2020年には教育改革も始まるが、果たして根本的な問題は解決されるのだろうか。
スティーブ・ジョブズに引き抜かれ、アップルの教育部門の初代バイス・プレジデントを務めるジョン・カウチも同じ疑問を抱え、時代遅れの現代の教育システムを変革しようと、社内外で活動している。ジョンの考える理想的な教育とは?

個々にパーソナライズ化された教育は夢物語ではない

私は、学生時代から、暗記ばかりの詰め込み教育に疑問を感じ続けていた。現代の教育システムは、修正(パッチでの応急処置)や交換(一からやり直し)ではなく「リワイヤリング(配線のやり直し)」しなければならないと考えている。

教育のリワイヤリングを突き詰めると、「生徒に学習させたいことの教え方を変えること」という意味になる。情報を配って事実をムダに暗記させることは、もうやめるべきだということだ。

これからの教育は、子どもたちに理解させることを変えると同時に、批判的にものを考えるクリティカルシンキングや自由にアイデアを広げるクリエイティブシンキングを教え、子どもが自ら新しいことを発見し、理解し、生みだせるように導くものであるべきだ。

学習に関するリサーチと最新テクノロジーを活用して、いまの生徒一人ひとりのニーズに即して学習体験をパーソナライズ化する必要がある。

こんなクラスを想像してみほしい。

教室の中は、新しいことをそれぞれが興味を持てるやり方で楽しそうに学んでいる生徒でいっぱいだ。教師が全員に向かって講義をすることはほとんどない。標準カリキュラムに即して講義をするのではなく、テーマは同じでも生徒によって学習させる部分やスピードを変えている。このクラスでは基本的に、個々の生徒に応じてパーソナライズ化された学習が行われている。

これを聞いて、ほとんどの人は「それが理想かもしれないが、現実は甘くない」「そんなものは夢物語だ」と切り捨てるだろう。

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