フェイスブックを止めた私にリアルに起きた事 アカウント削除5カ月間で何が変わったか

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■支出が大幅に減った

フェイスブックは、インターネットのユーザーは自分と無関係の広告を見せられることが不満だと主張し、ターゲティング広告を擁護してきた。私はそれには反対だ。私がいま目にする広告は私とは関係のないものだが、支出が大幅に減少するという恩恵を受けている。

1年ほど前に私は、男性ファッションを扱う「テイラー・スティッチ」のサイトを閲覧していた。あるコートに目が止まったが、買わないと決めてブラウザのウィンドウを閉じた。それから1週間、そのコートの広告がフェイスブックやインスタグラム、その他のウェブサイト上に現れ、なんと私はそのコートを買ってしまった。

インスタが私を「女性」だと思う理由

フェイスブックのアカウントを削除してからは、「本当にこのシャツやフライパン、カクテルシェーカーが必要だろうか?」と自問し、購入を見送ることが増えた。その質問の答えはいつも「ノー」だったからだ。

家計簿管理アプリの「ミント」を使い、どれだけ節約できたか具体的に調べてみると、昨年10月から3月中旬まで、洋服の購入に341ドル、アマゾンでの買い物に1100ドル支出していた。これはフェイスブックのアカウントを削除する前と比べ、劇的な減少だ。2017年10月から2018年3月中旬には、洋服に1008ドル、アマゾンに1542ドル支出していたのだ。

■インスタグラムは私を女性だと勘違いしている

私のインスタグラムのアカウントには、何年にもわたって男性用のブーツやブリーフケース、ビデオゲームなどの広告が配信されていた。それが今は、女性用のカミソリやブラジャーなどの広告だ。

私が思うに、フェイスブックのアカウントがないとインスタグラムは私が何者でどんな嗜好を持つのかという付随情報の重要な部分が欠けており、的確な広告を配信することができないのだろう。

さらに、婚約者と私はそれぞれ自分たちの犬名義のインスタグラムのアカウントを持っていて、個人アカウントや各々のデバイスから犬のアカウントにアクセスしている。そのため、何らかの情報が交錯してインスタグラムは私が女性だと思っているようだ(インスタグラムはアカウント作成時に性別の設定を求めていない)。

やや奇妙ではあるが、不快にはならない。それどころか、自分に無関係な広告は面白い。少なくともそれらの広告は、人にプレゼントを買うときのヒントをくれている。

(執筆:Brian X. Chen、翻訳:中丸碧)
(C)2019 The New York Times News Service

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