イラーナ:確かにそれも一理あるけど、既存の大手コンサルや銀行もいまだに人気はある。
アンナ:Tech系企業(Google、Facebookなど)もいまだに人気があると思います。
原田:今、日本の学生の間では、大企業志向が急激に高まってきています。平成不況の間は、大企業で採用を抑制していたところも多かったので、日本の学生の間では、不景気の中でも安定している公務員志向が高まっていました。しかしこの数年、景気の上向きもあり、団塊世代の大量退職と少子化があまりに長く続いたことで、人手不足が深刻化した業界も増え、大企業が採用人数を増やしたからです。
世界最高峰のコロンビア大学の学生の間でも、やっぱり、人気と言ったら超有名大手企業なんだね。
ただし、加えて、「企業の姿勢」という視点も入ってきたんだね。日本の大学生で「企業の姿勢」を重視して就職活動している学生は何%いるんでしょうね、大変少ない気がします。日本の大学生は「社風」は重視してそうですが。
話はそれるけど、日本の学生は今、上記の理由で就職が世界的に見て大変楽になってきているんだけど、アメリカの学生は景気がよくなっても、新卒一括採用はないし、世界中の学生がライバルになるし、超有名大手企業に入るのは超難しいもんね。
超格差社会、超競争社会のアメリカに比べると、少子化や景気回復などにより、競争環境が大幅に減っている日本の学生は大変恵まれていますね。問題はそのことに日本の若者があまり気づいていないことなんですけどね。
君たちのような優秀なアメリカの学生さんたちにも、若者の雇用が大変恵まれている日本に来て就職してもらえる日がくるといいなあ。まあ、アメリカの大手企業と比べると、日本の大企業の給料は大変低いので、この点は世界から優秀な人材を呼び込めていない深刻な問題点なんですけどね。
原田の総評:アメリカや日本の未来を示唆
コロンビア大学の学生を中心としたニューヨークの学生たちとの座談会はいかがでしたでしょうか? 1回目は「若者の政治意識」について、2回目は「若者とSNS」、そして3回目は「キャッシュレス社会」について主に議論しました。
ところどころ日本の若者のリアルな状況も入れさせていただいたので、日米の若者の比較論として読んでいただくこともできるのではないかと思います。日本およびアメリカで若年層を対象にマーケティングする企業の皆様には、その比較こそ、マーケティングのポイントの1つとなりうるので、是非、ご参考にしていただきたいと思います。
さて、今回座談会に参加してくれた彼らは、アメリカの中でも超優秀な、そして超リベラルなニューヨークの学生、という意味で超極端なごく一部の若者たちであることは確かです。
しかし同時に、彼らが未来のアメリカの頭脳になっていくであろうこと、そして、アメリカが日本より先に進んでいる面があり、日本に影響を与える国であるという仮定に立ってみると、今の彼らのピュアな意見や価値観が、アメリカの未来、そして日本を含む世界の未来を示唆する点が多分に含まれている可能性があると言えます。
是非、彼らの意見を参考に、今のアメリカのリアルを知り、いいところは取り入れ、悪いところは二の舞を踏まないよう、読者の皆様のお仕事にお役立ていただけると幸いです。
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