西武の「大型新人」ラビューは球団経営を救うか 昨季首位でも集客下位、ファン層拡大に期待

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西武球場前発池袋行き「ドーム88号」に乗車したライオンズファンの女子大生は「西武球場前から池袋までのわずかな時間しか乗れないのが残念なほど素晴らしい乗り心地でした。前後の間隔もゆったりとられていて、十分くつろげる空間でした。また、走行していることを感じさせない静かな車内で、ゆっくり休むことができました」と新型特急列車での帰宅に満足感を示した。

さらに「写真を撮ってる人もたくさんいて、すごく愛されていることがわかりました」とラビューに対するライオンズファンの関心の高さを実感している様子だった。

ボールパーク化に向けて改修工事中のメットライフドーム(筆者撮影)

このように、ラビューによるスタジアムエクスプレス号は西武グループ・球団関係者やライオンズファンの大きな期待を集めているが、もう一つの話題として、西武ライオンズ40周年記念事業として、2021年の完成を目指して進められている、メットライフドームのボールパーク化がある。

観戦環境向上策として、球場内でのネット裏VIPラウンジや同ラウンジ前砂かぶり席の新設、外周エリアの拡張・改修、飲食店・グッズショップの観客席の全面改修などが予定されている。

西武やDeNAに限らず、野球場のボールパーク化や観戦環境向上は、近年のプロ野球球団の主要な取り組みとなりつつある。

各球団は観戦環境向上に注力

例えば、北海道日本ハムファイターズを含む日本ハムグループにより2023年に北海道北広島市で開業予定の「北海道ボールパーク」では、選手のプレー環境に配慮して球場に天然芝を採用する。

野球ファン以外の集客を図るため、入退場が自由でボーダーレスな球場エントランスやレフトスタンドへの温浴施設などの設置を行うとともに、球場の外にグランピング施設などのレジャー施設を設ける予定だ。

また、福岡ソフトバンクホークスの本拠地・福岡ヤフオク!ドームでは、スマートフォンの充電が可能なコーナーを球場内コンコースの至る所に設置するなど、快適な観戦環境が提供されている。

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